2×4(ツーバイフォー)工法とは? 耐震性や気密性・断熱性に優れているって本当? 在来工法との違いは?
住宅工法のひとつ「2×4(ツーバイフォー)工法」を知っていますか? 2×4工法は耐震性や断熱性に優れているとされています。この記事では、2×4工法について、在来工法との違いも交えながらわかりやすく説明していきます。
家づくりのノウハウ
2021/08/06
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目次
2×4(ツーバイフォー)工法とは?
2×4工法とは、木造住宅の工法の一つです。北米生まれの工法で、使われる構造材のサイズが2インチ×4インチなことから2×4工法と呼ばれています。木造枠組壁工法と呼ばれることもあります。2×4工法は、一般的に耐震性、断熱性、耐火性などに特徴がある工法とされており、日本でも一定のシェアがある工法です。
2×4工法は建築基準法により、使用できる建材はJASやJIS基準をクリアしたものと定めているほか、耐震性を保つための細かな制約があります。2×4工法で住宅を建てる場合、使用できる構造材は北米などから輸入したものとなります。そのため、2×4工法は建材でのコスト削減が難しい工法です。もし2×4工法で建てる住宅の建築費用を抑えたいのであれば、「キッチンや別の設備をワンランク下げる」などの方法を取る必要があります。
2×4工法の施工方法にも触れておきましょう。まず、建築現場で床面を作ります。次に壁パネルを建築現場に搬入し、壁を組み立てていきます。壁パネルは、あらかじめ工場で作成した枠材に、合板などの面材を付けたものを使用します。壁ができたら屋根を組み立てて、外壁は完成です。最後に内部を作っていき、住宅が完成します。2×4工法はまず外側からパネルを組み立てていく工法だと覚えておくと分かりやすいでしょう。2×4工法は工場と建築現場とで分業されているシステマティックな工法のため、工期も比較的短くなります。
在来工法(木造軸組工法)との違いは?
2×4工法と在来工法を比較する前に、在来工法とはなにかについて触れておきましょう。在来工法(木造軸組工法)は以前より日本で使われてきた工法です。全世界では、2×4工法が導入されると、その土地の在来工法はほとんどなくなり、2×4工法に置き換わっていますが、日本は唯一在来工法が高いシェアを保っています。
それでは、在来工法(木造軸組工法)と2×4工法とでは何が違うのでしょうか?
一般的な在来工法は柱や梁を軸に建物を支える工法ですが、2×4工法は床・壁・屋根など面で支える工法となっています。在来工法ではジャングルジムのように太い柱や梁を作ったあとにその他の部分を作っていくのに対し、2×4工法は柱などを立てずに、パネルで外壁を組み立ててから内部を作っていきます。このように、在来工法と2×4工法とは全く異なる工法です。
また、一般的には2×4工法は在来工法よりも耐震性・断熱性、耐火性に優れていると言われています。「それなら2×4工法のほうがよいのでは?」と思うかもしれませんが、2×4工法は建築上の制約も多いため、安易に2×4工法を選ばないようにしましょう。2×4工法は建物を面で支える工法のため、外壁の形が複雑な家は建てられないほか、リフォームなどで壁をくりぬいたりする際にも制限が設けられています。柱や梁で建物を支えている在来工法のほうが、建築の自由度は高くなります。家のデザインにこだわりが強い方は、在来工法のほうがより自由度の高い家を建てられるでしょう。また、耐震性を追求している工務店で在来工法の家づくりをする場合には、一般的な2×4工法よりも性能を高くすることができるため、耐震性も自由度も諦めたくない場合にはそういったやり方もオススメです。
2×4工法のメリット・デメリット
これまで2×4工法について触れてきましたが、具体的にどのようなメリット・デメリットがあるのか知りたい方も多いのではないでしょうか。工務店やハウスメーカー、施工方法などによって家の仕様は異なるため一概には言えませんが、2×4工法の住宅で言える一般的な特徴をメリット・デメリットに分けてご紹介します。これまでに触れた点も含めて、わかりやすいように箇条書きにしてまとめました。
2×4工法のメリット
・耐震性に優れている
・耐火性に優れている
・台風(強風)に強い
・結露が発生しにくい
・建築途中で建材が痛みにくい
・工期が比較的短め
2×4工法のデメリット
・取り扱っていない工務店やハウスメーカーもある
・建築の自由度が比較的低い
・リフォームなどに制限がかかる
・建築のコスト削減がしにくい
・太い柱や梁の構造材をインテリアとして室内に現すことができない
2×4工法では、一般的にこのようなメリット・デメリットがあると言われています。しかし、あくまでもこれは一般的なものとなり、すべての2×4工法の住宅に当てはまるものではありません。実際に家を建てる際には、工務店やハウスメーカーから詳しい仕様を聞いておくことをオススメします。
2×4工法は耐震性に優れている?
2×4工法が耐震性に優れていると言われるのは、どのような仕組みからなのでしょうか?
一般的な在来工法だと、地震の力に耐えるのは「筋かい」という斜めに配置された木材になります。2×4工法は筋かいの代わりに、合板やOSB(配向性ストランドボード)といった「面材」を施工することで、面によって力を受け止める工法です。筋かいを配置できる場所は限られているのに対し、面材は外周の全面に施工され、窓などの周囲にも施工できます。多くの箇所に面材を施工した2×4工法の住宅は、全体として大きな力に耐えられます。
耐震性などに関する構造計算をしていない、一般的な在来工法で立てられた住宅は、外周部分に筋かいを使い、面材を使っていません。そのため、2×4工法で立てられた住宅のほうが、耐震性や台風などの風に対する耐風性は高い傾向にあります。
このことから、「2×4工法は耐震性に優れている」と言われることが多いようです。
2×4工法は気密性や断熱性に優れている?
2×4工法は気密性や断熱性に優れていると言われることもあります。これは本当なのでしょうか?
まずは気密性についてご説明します。2×4工法は、工場で作ったパネルを組み合わせて家を建てる工法のため、パネル間の隙間を小さくすることができます。そのため、一般的な在来工法より、2×4工法の方が気密性が高くなる傾向があります。高気密な住宅は、換気や暖房・冷房をコントロールしやすいと言われています。
一方、断熱性は、天井・外壁・床下・基礎に使われる断熱材の種類と厚さ、窓や玄関ドアの断熱性能によって決まります。2×4工法と断熱性とには関係がなく、2×4工法だからといって断熱性が優れているとは言えません。断熱性は工法ではなく、建材によると考えておくとよいでしょう。
2×4工法のメリットを併せ持つ在来工法も
一般的な2×4工法と在来工法とでは、2×4工法のほうが耐震性に優れていることが多いでしょう。
しかし在来工法でも、外周全面に結露しにくく、強度の高い高性能の面材を使い筋かいと併用することで、2×4工法以上の耐震性や気密性を持たせることが可能です。
イデアホームでは独自のイデアフレーム、イデアベースを使った「イデア工法」を開発しました。イデア工法は2×4工法のメリットを併せ持つ在来工法となっており、一般的な在来工法では不安な耐震性などの点をカバーできます。
さらに耐震性の高い工法として、工場で作成した壁パネルを使用する「ハイブリットユニット工法」という工法もあります。ハイブリットユニット工法は、工場で在来工法の柱・梁を組み立てて、断熱材、面材、サッシ、防水処理まで行い、現場で壁ユニットを組み立てる工法です。2×4工法のパネルと違い、太い柱・梁で構成するためパネルに剛性があり、重たいサッシも取り付けることができます。上棟の1日だけで屋根や外壁・サッシの防止まで終わるため、内部を雨に濡らすことがない画期的な工法です。壁ユニットの精度が高いため、断熱材の欠損が無く、厚い断熱材を入れることができ、高い断熱性を実現できます。より安全で過ごしやすい家を求めている方にはオススメの工法です。
▼ハイブリットユニット工法などのイデアホームの工法についてはこちら
まとめ
2×4工法は耐震性などに優れていると言われている工法です。従来の一般的な在来工法と比較した場合にも、一定の「気密性」と「耐震性」があるといえます。しかし、在来工法で建てられた住宅でも、耐震性などを高めた仕様の場合は2×4工法の性能を上回ることもあります。そのため、一概にどの工法がよいとは言えません。
家のデザイン・間取りにこだわりがある方や、まだ生涯プランが定まっておらずリフォームを行う可能性が高い場合は、建築の自由度が高い在来工法がよいかもしれません。
いずれの工法で家を建てるにしても、工務店やハウスメーカーの説明をよく聞いて、実際の性能を確認しておくことが大切です。
在来工法にしたいものの、高い耐震性や高い断熱性などの安全面を重視する方には、2×4工法のメリットも併せ持つ「イデア工法」や、工場でユニット化する在来工法の「ハイブリットユニット工法」をオススメしています。
イデア工法やハイブリットユニット工法については、イデアホームで詳しくご説明します。
お気軽にお近くのモデルハウスへご来場ください。
イデアホームでは在来工法だけではなく、耐震性の高い2×4工法の住宅もご提案しています。
住宅の耐震性について詳しく知りたいという方は、是非お気軽にイデアホームの「耐震研究所」にもお越しください。
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