許容応力度計算とは? 地震に強い家づくりの理由と重要性

2025年4月から施行される建築基準法改正により、許容応力度計算が従来より多くの住宅に義務化されます。イデアホームは以前より、地震に強い家づくりにおいて許容応力度計算は重要だと考え採用しています。では許容応力度計算とはなんなのか? また許容応力度計算がどうして重要なのか?を説明します。

許容応力度計算とは? 地震に強い家づくりの理由と重要性

耐震のノウハウ

2024/07/04

2025年により多くの住宅で義務化される許容応力度計算について

木造住宅には、許容応力度計算という建物の安全性を確保するための重要な構造計算方法があります。しかし、平屋や2階建ての木造住宅では、この計算書の提出が省略できる場合があります。そのため、耐震等級3とされる家でも、実際には許容応力度計算が行われていないことがあります。本当に地震に強い家づくりを目指すイデアホームでは、許容応力度計算を非常に重視しています。今回は、許容応力度計算とはなにか、そしてなぜ許容応力度計算が重要なのかを説明します。

許容応力度計算は地震に強い家づくりに重要な構造計算の一種

家づくりにおいて安全性を確保することは最も重要な要素のひとつです。そのために欠かせないのが構造計算です。許容応力度計算は、構造計算の一種で建物の構造耐力を評価する方法です。建物にかかる荷重(重さや力)を分析し、部材(柱や梁など)がその応力(部材にかかる力)に耐えられるかを検証します。

許容応力度計算とは

家全体にかかる力(荷重)を調べ、各部材がその力に耐えられるかどうかを確認する大切な検査 です。詳細な計算が各部材等について行われるので、構造計算書は書面にすると、200ページ以上になります。日常で目にする木造3階建ての建物は、「許容応力度計算」がなされています。「許容応力度計算」を経た建物は地震に対する有効性が高いと言われています。

許容応力度計算ではなにを調べるの?

家の重さ(自重)や家具の重さ(積載荷重)などの「長期荷重」と、地震や台風などの力(地震力、風荷重)などの「短期荷重」を計算します。柱や梁などの部材に、これらの「荷重」によって「どれくらいの力(応力)」がかかるかを調べます。部材がその力に耐えられるかどうかを、「許容応力」と呼ばれる基準値と比較して確認します。

この計算によって、地震や台風などの災害でも安全な家であるかどうかを判断することができます。建物の強度を高めるための設計に役立てることができます。

許容応力度計算の内容

  • 鉛直荷重(重さに耐えられるか)
  • 風荷重(風力に耐えられるか)
  • 地震荷重(地震に耐えられるか)
  • 層間変形(構造を支える柱がどれだけ変形するか)
  • 偏芯率(柱の配置のバランス)
  • 剛性率(各階のバランスによるねじれに耐えられるか)
  • 解析(各部材、接合部に加わる力が大丈夫か)

イデアホームは、これらの内容に加えて、地震力を最も大きく計算する等級3で許容応力度計算を実施しています。

許容応力度計算の重要性は?

家づくりにおいて、安全性を確保するための構造計算は最も重要な要素のひとつです。しかし、2階建て以下の木造住宅は、四号特例と呼ばれる特例措置により構造計算を省略することができます。建築確認申請時にも計算書の提出が義務付けられていません。

多くの工務店は、簡略化された仕様規定(壁量計算、配置バランスの確認など)で耐震性を評価しています。しかし、許容応力度計算が義務ではないからといって重要ではないというわけではありません。許容応力度計算を行うことで、建物の各部材の耐力と建物の重さを詳細に評価でき、より高い耐震性と安全性を確保できます。

耐震等級3には許容応力度計算は必要ないのか

耐震等級3を取得するためには、「品確法の壁量計算」または「許容応力度計算」を行う必要があります。どちらの方法でも条件を満たせば耐震等級3を取得できます。そのため、許容応力度計算を行わなくても耐震等級3の取得は可能です。しかし、品確法の壁量計算は、仕様に沿って設計を行えばよいという方法で、面積当たりの単純な壁量計算であって構造計算ではありません。品確法の壁量計算は細かな計算や検討を行わずに耐震性を確保する方法です。

許容応力度計算は、建物の重さを屋根材や壁材、仕上材など細部まで設定し、建物の構造耐力を詳細に評価します。この計算方法により、建物の各部材の耐力を正確に把握し、高い耐震性を確保できます。本当に地震に強い耐震等級3の家は、「許容応力度計算」で評価された耐震等級3の家です。

四号特例とは
「四号特例」とは、木造2階建て以下、延べ床面積500㎡未満、高さ13m未満、軒高9m未満の住宅(四号建築物)に対して、構造計算をしなくてよいという特例です。この特例により構造計算は不要になりますが、仕様規定の壁量計算は必須です。壁量計算書の提出義務がないため、壁量計算が実際に行われているかの確認はありません。

2025年に変わる構造計算の義務化

これまで、2階建て以下の木造住宅(四号建築物)は「四号特例」により構造計算が省略されていました。しかし、2025年4月からの建築基準法改正により、この四号建築物の範囲が縮小されます。改正後は、多くの住宅で許容応力度計算が義務化される予定ですが、それでもなお構造計算が不要な木造住宅も多く残ります。仕様規定の建物でも、壁量計算書などの提出が義務化されますが、許容応力度計算が完全に義務化されるわけではありません。また、新しい基準への適応を促すために経過措置が設けられる予定です。

イデアホームがどうして許容応力度計算にこだわるのか

イデアホームは、建物の真の安全性と耐震性能を確保するために許容応力度計算を重視しています。品確法の壁量計算や仕様規定の壁量計算では、仕様に沿った簡易なチェックで耐震性を確保しますが、許容応力度計算は建物の各部材の耐力と建物の重量を詳細に評価します。この詳細な計算を設計に反映することで、地震時の強度が高まります。品確法の壁量計算や仕様規定の壁量計算は、目先の工数の短縮やコストカットができるかもしれませんが、本当に地震に強いのか、建物の安全性が確認できない場合があります。なぜ耐震等級3にするのか、なぜ許容応力度計算を行うのか。それは数字ではなく、命と財産を守るためです。このことを考えれば、許容応力度計算が重要であることは明らかです。イデアホームは、より高い安全性を提供するために、コストと手間を惜しまず許容応力度計算を実施しています。

地震に強い家づくりをするイデアホームの取り組み

日本は地震大国であり、東日本大震災や熊本地震などの過去の大規模震災を振り返ると、耐震性の高い住宅の重要性が明らかになります。新築住宅を建てる際、耐震性は確認すべき重要な要素です。しかし、「地震に強い家」とは、単に耐震等級が高いだけで実現されるものではありません。国の基準では耐震等級ごとに震度6から7の地震での倒壊や損傷の程度の目安が一応、定められています。ただ、耐震等級は個々の建物の耐震性を証明しているわけでも、大地震で倒壊しないことを確認しているわけでもありません。また、建築基準法の想定以上の地震は、能登半島地震をはじめたびたび発生しています。最新の住宅でも損傷が大きくなるのはそのためです。建築前には耐震シミュレーションを行い、地震時の建物の損傷を確認することが重要です。

イデアホームでは、今回説明した「許容応力度計算」に加え、超高層ビル設計で使われる「時刻歴応答解析」を採用し、耐震性の高い住宅を設計しています。この手法により、木造住宅の一般的な耐震等級3を超える強度を確保しています。さらに、地盤のデータをもとに「微動探査」を行い、シミュレーションソフト「wallstat」で地震の揺れを検証しています。これにより、地震に強い家づくりを実現しています。

地震に強い家を作るイデアホームの家づくりや、許容応力度計算や構造計算についてもっと知りたい方は、ぜひイデアホームの耐震研究所へお越しください。

▼耐震研究所についてはこちらの記事もご覧ください。

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