地震保険料控除を受けるには?〜控除額と申請方法〜

地震保険に加入している場合、年末調整や確定申告で手続きすることにより、地震保険料控除を受けられることはご存じですか?税金の負担軽減のために、是非活用したい制度です。制度の内容や手順について詳しく解説します。

地震保険料控除を受けるには?〜控除額と申請方法〜

お金のノウハウ

2022/06/17

地震保険と地震保険料控除について

地震保険ってどんな保険?

地震保険とは損害保険の一種で、地震や噴火、津波などによる災害で発生した損失を補償する保険のことを指します。民間の損害保険会社は、一般的に火災保険と地震保険とをセットにして販売し、地震保険単独で加入することはできません。また、通常地震が原因で発生した火災や損壊に関しては、火災保険は適用されません。場合によっては被災して、地震が原因でおこった火災により住宅を失った上に、保険金もおりないという可能性がありました。そのような被災者を救済する保険だと言えるでしょう。

 地震保険は政府と民間損害保険会社が共同運営する保険で、世界的にも珍しい公共性の高い保険です。地震保険法に基づき、損害保険会社を通じて提供された地震保険を政府が再保険しています。そのため、どこの保険会社で加入した場合でも、最終的には政府と民間の損害保険会社が共同で補償する形になります。つまり、どこの保険会社から地震保険に加入しても、地震保険の補償内容や保険料は変わらないため、価格競争などが起きない公共的な仕組みになっています。

地震保険料控除とは

 地震保険料控除とは、地震保険に加入している場合に規定の手続きをすることにより、支払った地震保険料の額に応じた一定額を、所得税や住民税から差し引いて軽減するという制度です。
平成18年度の税制改革によって、従来の「損害保険料控除(長期保険料控除)」が廃止されました。損害保険料控除に代わり、平成19年より地震保険を対象にして新設されたのが「地震保険料控除」です。地震保険は火災保険とセットで販売されますが、控除の対象になるのは地震保険のみとなります。また、地震保険と似たもので「地震補償保険」という保険があります。こちらは火災保険と関係なく単独で加入することも可能ですが、地震保険料控除の対象外になるため、ご注意ください。

地震保険料控除の対象について

上記で説明した通り、地震保険料控除の対象になるのは原則「地震保険契約」のみです。
盲点になりがちなのが、賃貸です。地震保険などはなんとなく持ち家の人が対象なイメージがありますが、賃貸でも加入はできます。自身で加入した覚えがなくても、賃貸契約時に加入した火災保険に地震保険が付帯されている場合は地震保険料控除を利用できるため、一度確認してみると良いかもしれません。
地震保険料控除を受ける条件としては、常時住居としていることが必要になります。そのため、所有しているだけで居住していない物件については地震保険料控除の対象外になります。

また、経過措置が適用される長期損害保険契約(旧長期損害保険)に加入されている場合は控除の対象になります。前項で「損害保険料控除」は平成18年で廃止されたことを紹介しましたが、「平成18年末までに契約した満期返戻金のある契約期間10年以上の長期損害保険で、平成19年以降に契約の変更をしていないもの」については、経過措置の対象となります。そのため、引き続き控除を受けることが可能です。以前は家を建てた際に30年一括などで長期損害保険(火災保険)に加入することが多くありました。そのため、今までは損害保険料控除を受けられたのに、平成19年以降控除が受けられなくなることを救済する措置だと考えるとわかりやすいと思います。
自身の保険加入状況がどうだったか気になる場合は、保険会社に問い合わせてみると良いでしょう。または、対象となる保険に加入していれば、毎年10月頃保険会社から保険料控除証明書が届くため確認が可能です。

地震保険料控除申請の流れ

地震保険料控除の手続きは年末調整か確定申告のどちらかで行います。どちらで手続きをした場合でも控除額は変わらないため、自分に合った方法を選び、忘れずに申請するようにしましょう。

年末調整での地震保険料控除の手続き

会社員であれば年末調整で手続きすると便利です。勤務先に手続きを代行してもらえるため、確定申告と比べて手間がかかりません。手順としては、会社から配布される「給与所得者の保険料控除申告書」に必要事項を記入し、「地震保険料控除証明書」を添付して提出するだけになります。必要な書類はこの2点だけです。
万が一、地震保険料控除証明書を紛失してしまった場合には、保険会社に再発行の連絡をすると対応してもらえます。なお、勤務先を対象とした団体特約等で、給与から保険料が天引きされている場合には、地震保険料控除証明書が不要なケースもあります。

確定申告での地震保険料控除の手続き

自営業の方や、会社員の方で年末調整の時に地震保険料控除の手続きに間に合わなかったり、忘れていたりした場合などは確定申告で地震保険料控除の手続きを行いましょう。年末調整が12月〜1月に行われるのに対し、確定申告は原則2月16日〜3月15日の期間に税務署等で行います。また近年では、e-Taxを利用してインターネットで手続きする人も増えています。
確定申告の場合の必要書類は「確定申告書」「地震保険料控除証明書または電磁的記録印刷書面」「本人確認書類」です。確定申告書は、最寄りの税務署や市区町村の役所で入手するか、国税庁のウェブサイトからダウンロードすることも可能です。
電磁的記録印刷書面とは、電子証明等に記録された情報と、その内容が記録された2次元コードが付された出力書面のことを言います。従来は保険会社等が書面で交付していた控除証明書を、平成31年1月より電子データで交付することが可能になりました。

地震保険料控除の金額と注意点

地震保険料控除で控除される金額

地震保険料控除は、その年に支払った保険料額に応じて控除額が決まります。

地震保険料控除

【所得税の控除額】
年間の地震保険料額が50,000円未満の場合、支払った保険料の全額が控除されます。50,000円以上の場合には、控除限度額である50,000円が地震保険料控除額となります。

【住民税の控除額】
年間の地震保険料の額が50,000円未満の場合、支払った保険料の半額が控除されます。50,000円以上の場合は、控除限度額である25,000円が地震保険料控除額となります。

旧長期損害保険の保険料控除額

【所得税の控除額】
年間の支払保険料が10,000円未満の場合は、支払った保険料が全額控除になります。
10,000円以上〜20,000円未満であれば、支払保険料 × ½ + 5,000円です。
20,000円以上の場合には、控除限度額である15,000円が適用されます。

【住民税の控除額】
年間の支払保険料が5,000円未満の場合は、支払った保険料が全額控除になります。
5,000円以上〜15,000円未満であれば、支払保険料 × ½ + 2,500円です。
15,000円以上の場合には、控除限度額である10,000円が適用されます。

なお、1つの契約で地震保険料控除と旧長期損害保険料控除の両方に該当する場合には、いずれか一方を選択する必要があります。
地震保険と経過措置が適用される長期損害保険の双方(別々の保険契約)に加入している場合は、それぞれの保険の控除額を合算した金額が地震保険料控除となります。ただし、所得税は50,000円、住民税は25,000円が上限となります。

地震保険料控除の注意点

火災保険料は控除の対象外

先述しましたが、地震保険は火災保険とセットで加入することが必要になります。しかし、地震保険料控除の対象になるのは地震保険料のみです。火災保険加入時に特に意識せず地震保険を付加している場合など、火災保険は控除がないからと思い込んで、地震保険の分の還付申告まで忘れる可能性があるため、注意が必要です。火災保険に加入している方は、保険の内容を確認し、地震保険にも加入している場合は、忘れず控除の手続きをしましょう。万が一忘れていた場合にも過去5年分であれば、遡って申告できる可能性があります。

保険料を一括で複数年分支払った場合は、分割して毎年申告が必要

保険料は複数年分を一括で納入することで、トータルの金額が割り引かれることがあります。地震保険料を複数年分一括納入した場合でも、支払った年に全額申告するのではありません。一括納入した保険料額を、保険期間(年単位)で割って、1年分の保険料を計算します。その1年分の保険料が、毎年の控除対象保険料になるため、毎年その金額で申告する必要があります。

夫婦共同名義の住宅の場合、所得が多い方を契約者にする

保険の名義は原則一人になります。住宅の名義が個人ではなく、夫婦共同名義である場合も、地震保険の契約者名義はどちらか一人です。地震保険控除は、その年の所得から支払った地震保険料の額に応じて、所得税や住民税が控除されます。所得が多い方が所得税率も高くなるため、夫婦のどちらか所得が多い方が契約者になった方が所得控除の効果が高くなります。

地震に対しての備え

近年、大型地震が頻発するようになり、災害に対する関心はどんどん高まってきています。
保険というものは晴れている日に傘を買うようなものです。「今日は晴れているけど、明日は雨かもしれない」と考え、本当に降るかわからない雨に備えるかどうかになります。「今日は無事だったけど、近いうちに大きな地震が起きるかもしれない」というのは、絶対にあり得ないことではありません。自分と家族の命を守るために、可能な限り安心できる家で暮らしたいものです。地震保険に加入して安心を得た際も、控除を利用して可能な限り無駄なコストを省いていきましょう。

なお、地震に強い家づくりを推進しているイデアホームでは、令和3年9月より「建設業界初のwallstatによる100%地震保証」を開始しています。地震シミュレーションソフトwallstatにより、厳しい基準で検証された住宅に対し、地震の揺れによる建物の被害を100 %保証する画期的な地震保証が「wallstat保証」です。
▼「wallstat保証」について、詳しくはこちらをご覧ください。

一般的な地震保険だけでは、建物金額の最大50%しか保険金が出ません。もちろん加入するに越したことはありませんが、住宅が倒壊や半壊などの大きな損傷を受けた場合は、地震保険だけで対応することは不可能です。しかしwallstat保証(100%地震保証)と地震保険を併せることにより、建物の修理・建て替えに対する100%保証と、地震保険の保険金50%で最大150%の保証が可能になります。

これからマイホームをお考えの方は、しっかりと構造計算された耐震性の高い家づくりをすることが重要になります。その上で、安心のために地震保険と併せてwallstat保証の住宅もご検討ください。

地震に強い家づくりについては、ぜひイデアホームにご相談ください。

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