工務店とハウスメーカーの違いって?

家づくりを考えた時に、工務店やハウスメーカーという言葉を耳にすることがあります。工務店とハウスメーカーはどのように違うのでしょうか。また、それぞれメリット・デメリットにはどのようなものがあるのか、解説していきます。

工務店とハウスメーカーの違いって?

家づくりのノウハウ

2022/09/20

新築で注文住宅を建てようと思った時、色々な選択肢があって迷っていませんか?注文住宅の依頼先には大きく分けて「工務店」「ハウスメーカー」の2つがあります。両社とも新築の家づくりを行いますが、それぞれ特徴や違いがあります。今回は工務店とハウスメーカーの違い、メリット、デメリットについて、そして家づくりの最適なパートナーについて説明していきます。

工務店とは

特定の地域に密着して、住宅を建築する会社のことを工務店と言います。新築工事だけでなく増改築にも対応し、専門の工事業者を管理しながら、住宅工事を進めていきます。工務店には、大きく分けて3つのタイプがあります。

  • 会社規模がハウスメーカーに比べ小さく、家族で経営している事が多い。現場の大工が施工から設計までを管理する昔ながらのタイプ。
  • 各地域の工務店が本部のあるフランチャイズに加盟しているタイプ(工務店によっては複数のフランチャイズに加盟している)
  • 中堅ビルダーと呼ばれるタイプ。中堅ビルダーとは他の工務店より着工棟数が多く、地域密着型でありながら、近隣に支店や営業所を置いてあるため、広域に渡って施工を行える。ハウスメーカーのような住宅展示場やモデルハウスを用意している場合もある。

ハウスメーカーとは

自社ブランドを持って、全国規模で営業展開している住宅会社のことをハウスメーカーと言います。対応エリアが広く「家を売る」事をビジネスとしています。住宅の規格や工法の開発と販売に注力し、施工は下請けの工務店が請け負う場合もあります。ハウスメーカーは、各社の企業姿勢や工法、サービスがそれぞれ異なるため、ハウスメーカーと言えども一律に考えないことが大切です。

工務店のメリット、デメリット

工務店で家づくりをするメリットとデメリットについて解説していきます。

工務店のメリット

  • 設計の自由度が高い
  • ハウスメーカーと比較すると安い
  • 人柄が見える
  • 実例や現場が見える
  • 何かあった時にすぐに駆けつけてくれる事が多い
設計の自由度が高い

工務店は一つ一つの建物を一から作り上げます。法律の都合で、どうしても不可能な事もありますが、それをクリアしていれば間取りも外観も自由に設計する事ができます。施主の要望が叶いやすく、狭小地や変形地でも柔軟に対応できる強みがあります。

ハウスメーカーと比較すると建築費が安い

工務店はハウスメーカーに比べると、広告宣伝にお金がかかりません。また、ハウスメーカーに比べ、下請け会社へのマージンが小さい場合があります。そのため、同じ規模や仕様の注文住宅でも一般的にはハウスメーカーより建築費が安価です。価格の安さは魅力の1つですが、あまりにも建築費が安い工務店は、適正な木材などの材料を使用していない可能性があり注意が必要です。

人柄が見える

工務店は小規模経営をしているところが多く、自分の家を建てる工務店の社長や現場監督、大工、職人の人柄が見えます。最初の窓口から引き渡し、そしてアフターサービスまで一人の担当者が受け持つ事が多く、建てる前も、建てた後のアフターサービスも気軽に相談できる安心感があります。

実例や現場が見られる

地域密着型の工務店では完成見学会や構造見学会が行われます。土地に合わせた間取りなどの自由度が高く、柔軟性がある実例を実際に見て体感する事ができます。

何かあった時にすぐ駆けつけてくれる事が多い

地域に、そしてお客様に寄り添った工務店が多く、家に関わる水道のトラブルや電気のトラブルなど、何かあった時にすぐその会社が駆けつけてくれる安心感は一番のメリットと言えるでしょう。もちろん、深夜帯のトラブルには対応していない工務店もありますが、最近は保険会社と提携して深夜などの応急処置に提携業者を派遣する工務店もあります。

工務店のデメリット

長めの工期が必要

ハウスメーカーが建材を工場でプレカットして現場で組み立てるのに対し、工務店は現場で建築資材を加工して設計通りに施工をする事があります。そのため、フルオーダー住宅の場合は、工期が長くなる事が懸念されます。ハウスメーカーで3.5ヶ月~4ヶ月かかる工事は、工務店であれば3.5ヶ月~5ヶ月くらいかかる事もあります。しかし、工法によって工期には差があるため、すべての工務店の工期が長いわけではありません。2×4(ツーバイフォー)や大型パネル工法などのパネルを使用した工法を取り入れている工務店は、工場で作成した建材パネルを使用するため工期が比較的早くなります。

▼2×4(ツーバイフォー)工法とは?詳しくはこちらの記事をご覧ください。

工務店ごとに技術やサービスの差がある

ハウスメーカーの建てる注文住宅と違い、工務店の建てる注文住宅は1つずつ手作りです。そのため、作る大工によって品質にばらつきが出ます。品質を見極めるためには、複数の会社を比較し、納得できる工務店を選ぶ事が大切です。色々な完成見学会や構造見学会のイベントに行くと、それぞれの工務店や大工の特徴、技術もわかります。良い工務店選びのポイントは、実際に建てた人の口コミや評価を参考に、いくつかの工務店に直接相談に出向いて、建築現場や担当者の対応を確認する事です。

倒産するリスクはハウスメーカーよりも工務店の方が高い

一般的にハウスメーカーに比べ、工務店は経営の規模が小さいため、倒産するリスクはハウスメーカーよりも高くなります。一番怖いのは注文住宅を建てている途中で施工店が倒産してしまう事です。お金を払ったのに家が建たないという最悪の事態を防ぐため、工務店では「住宅完成保証制度」という保証制度に加入しているところがあります。住宅完成保証制度の登録には経営状態など厳しい審査があるので、加入している工務店は信頼性が高いと言えます。

ハウスメーカーのメリット、デメリット

ハウスメーカーで家づくりをするメリットとデメリットについて解説していきます。

ハウスメーカーのメリット

  • ブランド力がある
  • 品質が一定で安心感がある
  • 工期が短い
  • システム化されたアフターメンテナンス
品質が一定で安心感がある

ハウスメーカーでは、ある程度規格化された家を建てる際に施工のシステム化・マニュアル化がされています。工場でプレカットされた建材を現場で組み立てるため、品質が一定で安心感があります。ただ、工務店同様に現地で施工する大工の技術に左右されるところはあります。

工期が短い

建築資材の調達から施工までの流れがシステム化され、効率的に進められるため、ハウスメーカーの家は工期が短いと言われています。

システム化されたアフターメンテナンス

ハウスメーカーは工務店より規模が大きく、経営基盤が安定しています。そのため、工務店と比較すると倒産などによるアフターサービスが利用できないと言ったリスクが低いです。定期点検や無料修理期間などの制度も整備されており、マニュアルに沿った標準的な対応も期待できます。

ハウスメーカーのデメリット

  • 費用が高い
  • 細かな要望には対応しきれない
  • 担当者の不在などアフターケアの引き継ぎ不安
費用が高め

ハウスメーカーで家を建てると、建築費が高くなる傾向にあります。ハウスメーカーは、国土交通省で認定された工場を保有し、維持する必要があるため、安定した受注数を保たなくてはいけません。生産工場が減少すると、工場から遠距離の現場では運送コストも高くなります。ハウスメーカーが安定した受注件数を保つには、広告宣伝での集客は欠かせません。そのため、生産棟数が少なくなると、一棟にかかるコストは割高になっていきます。

細かな要望には対応しきれない

ハウスメーカーは標準的な仕様が決められているため、工務店のような自由設計ができません。オプションを追加したり、プラン外のものを希望したりすると、費用が高額になるか、できない可能性があります。

担当者の不在などアフターケアの引き継ぎが不安

ハウスメーカーのアフターケアや保証制度は比較的しっかりしていますが、ハウスメーカーは担当者の変更、転勤、退職などで、建てた時に対応していた担当者がいなくなってしまう事が多くあります。また、ハウスメーカーの対応はマニュアルに沿った対応のため、メンテナンス対応者が決まらず緊急時にも関わらず時間がかかったり、すぐに解決できない場合もあります。その点、地元工務店の場合は何十年もその地で営業を続けているケースが多く、きめ細かいアフターケアを受けれたり、何でも相談がしやすい関係性だったりするでしょう。

工務店とハウスメーカー、それぞれの特徴まとめ

工務店ハウスメーカー
コスト安く済む可能性が高い工務店より高くなる
施工エリア地域密着型全国展開
設計の自由度自由ある程度決まりがある
品質大工によってバラつきがある安定した品質(メーカーによってバラつきはある)
工期3.5~5ヶ月3.5ヶ月〜4ヶ月
アフターメンテナンス対応が早い対応が遅い場合もある

どちらが注文住宅に最適?

工務店、ハウスメーカーにはそれぞれメリット、デメリットがありますが、ローコストの家を建てるハウスメーカーや、規格型の住宅を提供し、工期の短い工務店もあります。そのため、ハウスメーカーと工務店、どちらが良いとは言い切れません。日本の新築住宅は、大手ハウスメーカーが手掛ける割合が非常に多いです。しかし、日本各地でその土地に根差した地域工務店は必ず存在しています。施工棟数は大手に及ばずとも、お客様との対話を重ねながら実直な家づくりをしている工務店は数多くあります。地域の土地勘があるという面では、安心して依頼することができるでしょう。家づくりの依頼先を考えているとき、どんな家を建てたいか、どんな風にその家で過ごしていきたいか、またどんな人に自分の夢の家づくりを任せたいのかはお客様しかわかりません。工務店とハウスメーカーそれぞれの特徴をよく理解したうえで、自分たちの家づくりに合っているパートナーを選びましょう。

工務店での家づくりが気になっている方は、建築途中の家を公開する構造見学会や、完成見学会にぜひ参加してみてください。完成見学会は工務店と施主に信頼関係がなければ開けません。見学会が多い工務店は、多くの施主といい関係を築けているといえる点でも安心です。

▼工務店選びについてはこちらの記事をご覧ください。

イデアホームでは、お客様に心から納得して家づくりを行っていただくため、少し詳細すぎるほどの説明を行っております。完成見学会やモデルハウスで実際に施工した家を見学できます。建設会社選びにお悩みの方はぜひ一度イデアホームにご相談ください。

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