木造耐用年数とは?鉄骨のほうがいい?長く住める木造住宅にするためには?
この記事では、木造耐用年数とは?鉄骨造・鉄筋コンクリート造と比べたときに長く住めるのは?といった疑問を解消できます!さらに、長く住める木造住宅を建てるためのポイントやメンテナンスでの注意ポイントを詳しく解説し、理想の住まい作りをサポートします。
家づくりのノウハウ
2024/12/05
目次
住宅の木造耐用年数とは?
「耐用年数」という言葉は、一般的に法定耐用年数を指すときに使われます。居住用の木造住宅(マイホームなど)の場合、この法定耐用年数は33年とされています。ただし、この「33年」という数字を聞いて、「じゃあ33年経ったら住めなくなるの?」と心配する必要はありません。法定耐用年数とは、主に減価償却(資産価値の計算)をするうえでの目安を示すものであって、売却する際などの計算に使うための法的な基準です。33年で資産としての価値はなくなりますが、実際に住める期間や建物の寿命を表すわけではありません。現に、築100年以上の木造住宅が今も使用されている例も珍しくありません。
「耐用年数」という言葉は、次のように異なる意味で使われる場合があります。
1. 物理的耐用年数
住める年数や建物の寿命を指します。建物の品質やメンテナンス次第で大きく異なります。きちんと手入れをすれば木造住宅は数十年~100年以上使用することも可能です。
2. 経済的耐用年数
住宅の経済価値(市場価値)がなくなるまでの期間を指します。たとえば、不動産市場での取引価値がゼロになるタイミングのことを意味します。
木造住宅は実際に何年くらい住める?
木造住宅の寿命は、構造、建材、そしてメンテナンスの状況によって大きく異なるため、一概に「何年」と断言するのは難しいものです。ただし、「質のいい木材であれば伐採から100年後が一番丈夫になる」とも言われており、劣化対策やメンテナンス次第で木造住宅の寿命を大きく延ばすことができます。
しかし、日本では「木造住宅は寿命が短い」というイメージが根強くあります。この風潮の理由の一つとして、30年ほどでリフォームや建て替えが必要になるケースが多いことが挙げられます。
30年ほどでリフォームや建て替えをしたり、住宅を手放すケースには、このようなものがあります。
- 間取りや広さがライフスタイルと合わなくなり、建て替えや売却を選ぶ
- 風呂やキッチンなどの設備の寿命は10〜20年のため、交換が大変で建て替えを選ぶ
- リフォームよりも建て替えのほうが費用が安い
- メンテナンス不足による老朽化やシロアリによる耐久性の低下により、建て替えを余儀なくされる
- 建築基準法は大きな地震のたびに厳しくなっているため、建てたころの基準に沿った家では数十年後の建築基準法の基準を満たせずに、耐震改修工事や建て替えを迫られる
- もともと新築時に、劣化対策、維持管理対策がされていない設計だった
このようなケースにより、リフォームや建て替え、売却をすることがあります。長く1つの木造住宅に住み続けたいのであれば、建築時の維持管理対策・劣化対策やメンテナンスのスケジュール管理が必要になります。
木造よりも鉄骨造・鉄筋コンクリート造のほうがいい?
一般的に鉄骨造・鉄筋コンクリート造よりも木造の耐用年数は短いとされていますが、今まで触れてきたような理由から、一概に短いとはいえません。一昔前の木造住宅は高度経済成長の人口増加に合わせて寿命を考えずに大量に建てられており、そういった木造住宅のイメージにより、木造住宅の寿命が短いと思われているだけなのです。建築基準法の基準も年々厳しくなっていることから、新しい木造住宅はつくりが丈夫になっており、物理的な耐用年数は延びているといえます。
そういったことから、構造が弱く長寿命化対策のないようなローコスト住宅などでは、寿命が短い可能性があります。一方、昔ながらの在来工法で建てられた、質のよい建材を使用した木造住宅は、長持ちする傾向にあるでしょう。また、最新技術でつくられた高気密・高断熱の家は、木造住宅の弱点である水気を防ぎやすく、維持管理がしやすく、劣化対策が施されているため、長持ちすると想定されています。
一方で、一般的に木造よりも耐用年数が長いというイメージのある鉄骨造でも、海辺に建てられれば塩によって鉄骨が腐食しやすくなるケースもあり、一概にはいえません。
結論として、木造・鉄骨造・鉄筋コンクリート造などの建材による差よりも、丈夫な家を建てられる工務店・ハウスメーカーを選び、こまめなメンテナンスを行うことが重要になります。
長く住める木造住宅を建てる方法
現在、一戸建ての住宅の約9割は木造住宅となっています。これから木造住宅を建てたいと思っている方は多いはず。では、長く住める木造住宅を建てるためにはどうしたらいいのでしょうか?ひとつひとつ解説していきます。
災害リスクの高い土地を避け、地盤の強い土地を選ぶ
そもそも、住宅の劣化よりも、災害により住めなくなってしまうケースがあります。住みたい地域のハザードマップを確認し、災害リスクについて調べておくことが大切です。
▼埼玉県の地盤の強い地域についてはこちら!
日本全国の地盤の強さのチェック方法も説明しているので、埼玉県以外のかたもぜひご覧ください!
構造がしっかりした家を建て、耐震性や断熱性を高める
構造がしっかりしている丈夫な家は、当然ながら壊れにくく、寿命も長いといえます。劣化対策等級、維持管理等級、耐震等級などが判断基準となります。また、ZEH住宅などの高気密・高断熱の家は、木造住宅の劣化の原因となる結露を防ぎやすく、長持ちする家になります。
注意!耐震等級3なら安心?
耐震性を示す「耐震等級」という等級がありますが、同じ耐震等級3の家でも、実際の地震に対しての耐久性が大きく異なる場合があります。詳しくはこちらの記事でも説明していますが、「構造計算」を行っているかどうかが大切になるため、工務店・ハウスメーカーに確認してみることをおすすめします。
間取りを可変しやすい家を選ぶ
家を建ててから20〜30年も経つと、ライフスタイルも大きく変わってきます。夫婦と子どもで暮らしていた家も、子どもが巣立ったあとでは使いにくい間取りになっているかもしれません。
そういった場合は、「スケルトン・インフィル(内部の間取りを変更しやすい家)」などの家として建てておくことで対応ができます。間取りを可変できれば、風呂やキッチンなどの設備の交換もしやすくなります。
平屋などのバリアフリーを考えた家にする
家を建てる時点でバリアフリーを考えたつくりにしておけば、老後も快適に暮らせます。階段を上らずに暮らせる平屋は、老後も安心です。さらに平屋は構造的にも強く、地震でも倒れにくいといった強みもあります。
構造材・内装材の木材を質のよいものにする
木造住宅の弱点は水分であるため、水に強い木材を選ぶと長持ちしやすいといえます。ヒノキ、ヒバ、オークなどの木材が水に強いものとなります。
無垢材と集成材を使い分ける
材木には無垢材と集成材があります。適材適所に使用することで、長持ちする家になりやすいでしょう。
材木の種類 | 説明 |
---|---|
無垢材 | 1本の丸太から1本の材木を切り出したもの。一般的には丈夫だと考えられていますが、木材の立地条件によって、性能にばらつきがあります。また、集成材に比べてコストが高くなります。 |
集成材 | 木材を小さなピースに切り出し接着して1本の材木にしたもの。小さなピースにすることで、性能の均一化がなされ、無垢材では得にくい大きな断面を作ることができます。 |
すべての木材を無垢材にしたほうがよいと考えるかたも多いですが、無垢材は使い方を誤ると、沿ったり、収縮したり、割れたりして十分な強度を発揮できなくなります。設計や材料の選択に経験と技術が必要になるため、信頼できる工務店・ハウスメーカーを選ぶ必要があります。
イデアホームは地元の無垢材を利用することも可能です!腐朽菌やシロアリ対策も行い、丈夫な家を建てています。
シロアリ対策をする
本州以南の地域では、シロアリ対策が必須となります。ヒバやヒノキは比較的シロアリが近づきにくいとはされていますが、防蟻処理は必要といえるでしょう。おすすめの防蟻処理は、メンテナンスの回数が少なく、費用的にもお得な「ホウ酸」による防蟻処理です。
近年は従来のシロアリだけでなく、アメリカカンザイシロアリの被害も増えています。法的処理は地面より1mまでの処理になりますが、アメリカカンザイシロアリに対抗するためにも、全構造材をホウ酸処理することもおすすめしています。シロアリの被害を抑えることは、住宅の耐用年数を上げる大きな要因になります。
最重要!こまめなメンテナンス
住宅を長持ちさせるために最も重要なことは、こまめなメンテナンスです。そのため、メンテナンスについて、詳しく説明していきます。
木造住宅の耐用年数を延ばすメンテナンス方法
メンテナンスには、家主の日々のこまめな手入れと、メンテナンス会社によるプロのメンテナンスとがあります。
日々のこまめな手入れに関しては、清掃が大切です。とくに水場や雨どいのチェックは住宅の耐用年数に影響しやすい部分です。日光で劣化しやすいコーキングの補修なども定期的に行いましょう。さらに、海辺の土地では鉄のさびのチェック、雨の多い土地では水はけのチェックが大切です。
さらに、メンテナンス会社によるプロの定期的なメンテナンスも行うべきでしょう。雨漏りやシロアリのチェックのために、10年に一度はプロのメンテナンスを利用することをおすすめします。工務店・ハウスメーカーでは、長期保証の無料メンテナンスがある場合もあります。
なお、まずは家を建てる際にメンテナンスしやすいつくりにすることをおすすめします。配管の接続部に点検口を設けたり、交換しやすいようにコンクリートに埋め込まないようにしたりなどの設計をするとよいでしょう。外壁や屋根に通気層を設けることもおすすめです。さらに、長期優良住宅の認定を受けておくと、維持保全計画書どおりのメンテナンスが必須となりますので、忘れることがなくなるという意味では安心です。
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住宅の物理的耐用年数を延ばすためには、日々のメンテナンスが大切ですが、次点で構造の強い家を建てることが大切です。地震に強い家を最も得意とするイデアホームでは、構造の強い木造住宅を建てることができます。ZEH住宅をはじめとする高気密・高断熱の家も手がけていますので、水気への対策も可能です。
地震が起こっても「長く住める」ことを目的とした住宅デザインをしているので、老後も安心して暮らせる家、子どもたちに残せる家を建てたいと考えているかたは、ぜひお問い合わせ、モデルハウスへのご来場にてご相談ください。
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