【木造VS鉄骨造】建てるならどっち?
新築を建てるとき、木造と鉄骨造のどちらがよいか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。メリット・デメリットを踏まえて解説します。
家づくりのノウハウ
2022/02/14
目次
木造と鉄骨造の違いについて
家を新築することが決まり、どのような家にしようか考えたとき、木造にするのか鉄骨造にするのか悩みますよね。なんとなく木造は木をふんだんに使った温もりのあるイメージで、鉄骨造は鉄やコンクリートの無機質な感じのイメージがあるかと思います。実際には木造と鉄骨造でどのような違いがあるのかをご紹介します。
木造住宅
木造住宅とは、住宅の構造や主要部分に木材を使用して建築されている住宅のことを言います。日本の一戸建ての大多数が木造住宅で、四季のある日本の気候や風土に合った造りになっています。さまざまな工法があり、建設会社によって採用している工法が異なります。その中でもよく用いられる工法は「在来工法(木造軸組工法)」と「2×4(ツーバイフォー)工法」の2種類です。在来工法(木造軸組工法)は、柱や梁(はり)、床などを組み合わせて建てる日本の伝統的な工法です。一方、床や壁、天井などを箱のように組み立てて形を整える工法を2×4工法と言います。こちらは「面」で組み立てるため、工程が効率化されやすい点が特徴になります。
鉄骨造住宅
鉄骨造住宅は、建物の主要な構造部分に鉄骨を使用して建築されている住宅です。鉄骨の厚さが6mm未満の場合を「軽量鉄骨造」と言い、6mm以上の場合は「重量鉄骨造」と言います。一般的な鉄骨造の一戸建ては軽量鉄骨造で、軽量鉄骨を折り曲げたフレームを軸にして、パネルを現場に運び込み組み立てます。重量鉄骨造は一般的にマンションやビル、デパートなどの大型建築物で採用されることが多い工法になります。
木造住宅のメリット・デメリット
まずは木造住宅のメリット・デメリットについて見ていきましょう。
木造住宅のメリット
木には天然の断熱効果・調湿効果があるため、木造住宅では気候に応じて快適な室内環境を保ちやすくなります。夏場は外気を遮断し、冬場は室内の熱が外に逃げるのを防ぐため、年間を通して夏は涼しく冬は暖かい快適な状態を維持できるのです。
鉄骨造と比べると木造は壁や柱の数が多くなるため、隙間が少なく気密性の高いつくりになりやすいと言えます。機密性が高いと隙間風が減るため、さらに室内の温度維持がしやすくなります。また機密性の高さは遮音性にも繋がります。建築コストに関しても、鉄骨と比べると木材は材料費が安いため、コストを抑えられる傾向があります。
木造住宅のデメリット
木造住宅では、耐震性を確保するために鉄骨造と比べると柱や壁が増えてしまいます。そのため、部屋の広さや窓の大きさなど、一部間取りに制限ができる可能性があり、間取りの自由度は低めになります。
鉄骨造に比べると木造は耐用年数が短いのもデメリットと言えるでしょう。軽量鉄骨造が27年、重量鉄骨造が34年なのに対し、木造は法定耐用年数が22年とされています。これはあくまでも減価償却の際に用いられる数字であり、実際は施工品質やメンテナンスによっても左右されます。通常の木造住宅は非耐火H構造とされ火災保険料が鉄骨造より高くなります。
イデアホームでは「省令準耐火構造」というT構造に分類され火災保険料が安くなる構造も施工可能です。
また、木造住宅は在来工法の場合、施工会社によって仕上がりの品質に差が出る可能性があります。1から部材を組み立てるため、職人の腕による差が生まれてしまうケースがあるのです。極端に短い工期や安い費用となっている場合は注意が必要です。一方で木造住宅でも、工場でユニット化されていれば、高い精度を保ちながらも工期を短く安価にすることもできます。
鉄骨造住宅のメリット・デメリット
木造住宅のメリット・デメリットを見てみましたが、鉄骨造住宅についてはどうでしょうか。
鉄骨造住宅のメリット
鉄骨造の建材は工場で生産されるものが多く、組み立ても大部分が規格化されているため、品質に差が出にくく安定性が高いと言えます。建物の主要部分が鉄骨でつくられているため頑丈です。木造住宅と比較すると建物を支えるための柱や壁が少なく済み、その分広めのリビングにしたり、吹き抜けにしたりなど開放感のある間取りにすることが可能です。火災保険料に関しては鉄骨造住宅の方が木造住宅よりも安いとされています。木造でも鉄骨造でも、現在の技術ではそれほど耐火性に差はないとされていますが、構造が不燃であるため、鉄骨造の方が保険料は安くなります。
木造住宅でも紹介しましたが、法定耐用年数は木造と比べると鉄骨造の方が比較的長めです。ただし、メンテナンスの有無や使い方で実際の耐用年数は変化するため、鉄骨造だからと言って必ずしも耐用年数が長いというわけではありません。
2階建て以上の鉄骨造の建物は全て構造計算が必要になるため、構造計算がしてあるという安心感があります。構造計算とは「建てる建物が計画通りの強さを持っているか、計算して証明すること」です。現在建てられている2階建までの木造住宅のほとんどは構造計算をしていないものになります。
イデアホームでは2階建以下の木造注文住宅では義務化されていない「許容応力度計算」を自主的に全棟で実施しています。木造でも鉄骨造と同じような安心感を得ることが可能です。
鉄骨造住宅のデメリット
鉄骨造は木造よりも材料費が高く、工期も長くなりやすいため、建築コストは木造住宅より比較的高めだと言えます。また、劣化しにくいと言われる鉄骨造住宅は建物の評価額が下がりにくく、その分固定資産税が高くつきがちです。家にかかるコストに関しては木造と比べると高価であると言わざるを得ません。
鉄骨は強度があるため、柱を減らしたり壁を薄くしたりすることが可能です。そのため開放感のある間取りを実現できますが、反面気密性や断熱性が低くなりやすいので注意が必要です。また鉄の柱は熱橋という熱が逃げやすくなるため、断熱性を高くするのが難しいという特徴もあります。さらに木造と比べて鉄骨造は重量があるため、地盤にかかる荷重も大きくなります。そのため軟弱な土地に建てることは難しく、大掛かりな地盤改良が必要になる可能性もあります。また、その分コストがかかり、工期も長くなってしまいます。
木造と鉄骨造、どちらを選ぶべきか
木造と鉄骨造、両方の特徴をみてきましたが、結局どちらがいいの?と思う方もいるでしょう。どちらにもメリット・デメリットがあるため、どちらがいいとは一概には言えません。選び方としては、より自分の理想に近い家を建てるためにはどちらを選べばいいのかを考えることが重要です。
どちらでも良いという方や予算が気になる方には、建築コストを抑えられる木造をオススメします。コストを抑えつつ、木材が持つ温かみや柔らかい雰囲気を味わうこともできます。また、鉄骨造より高気密高断熱にもしやすいため、ランニングコストも抑えながら、快適な生活を送ることが可能です。
より開放的な間取りを好む方や、頑丈そうな方が安心だという方、予算に余裕があるという方は鉄骨造を選ぶのも良いかもしれません。鉄骨造では構造計算が義務化されているため、強度に対する安心感もあります。
勘違いされやすいポイント
勘違いされやすいポイントとして、部屋の床や壁に木材が使ってあるからといって木造であるとは限りません。部屋の中のフローリングや壁などの仕上げの材料は構造と関係ありません。あくまでも壁の中に隠れている柱や梁など「家の強さを決めている材料」が木材なのか鉄骨なのかによって、「木造」か「鉄骨造」かが決まります。よって、鉄骨造でも無垢の木材を使った自然味のある部屋をつくることもできますし、木造でもコンクリート打ちっぱなしのような無機質な空間を演出することも可能です。
どちらを選ぶにしても言えるのは、メンテナンスを怠れば想定される耐用年数以下の建物になってしまうこと。家は建てて終わりではなく、建ててからが大切です。
自分に合った新築を建てるなら
これから家づくりをする予定の方は、出来るだけたくさんの住宅会社を見学しましょう。木造でも鉄骨造でもその材料の特性を十分に理解し、特性を活かした家を作れる会社に依頼することが何よりも重要です。技術力が確かな建設会社を選べば間違いありません。
機会があれば構造見学会への参加もオススメします。構造見学会は、今回ご紹介した柱や梁など見えなくなる部分を確認できる重要な機会です。是非木造と鉄骨造の違いを自分の目で確認してみましょう。
どうしても悩んで判断がつかないというときは建設会社に相談してみましょう。プロならではの知識を交え、さまざまなアイデアを提案してくれます。その際に、工期や費用が他社と極端に違う場合は要注意。建設会社側の都合で商品をオススメしている可能性があります。本当に親身になって相談に乗ってくれる、信頼できる建設会社を選びましょう。
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