耐震診断とは? 無料の条件やメリットをわかりやすく解説!
耐震診断の仕組みや条件、無料で受けられるケース、耐震診断の限界やメリットなどをわかりやすく解説します。

耐震のノウハウ
2025/03/26
目次
無料の耐震診断ってなに? 適切な診断を選ぼう
地震が頻発する日本では、住宅の耐震性は命を守るための重要なポイントです。特に昭和56年以前の旧耐震基準で建てられた住宅にお住まいの方は、自治体が提供する無料の耐震診断を活用することで、自宅の耐震性を知るきっかけになります。たとえば埼玉県では、図面や聞き取りをもとにした簡易的な診断が実施されています。すべての地震に対応できる精密な解析ではありませんが、住まいの現状を把握するには有効です。
今回は、耐震診断の仕組みや無料の条件、注意点に加え、新築住宅における耐震対策の考え方や、より安心できる住まいづくりに必要な視点を解説します。記事内では埼玉県の制度を例に紹介しますが、他の地域でも同様の無料診断制度を設けている自治体がありますので、お住まいの地域の情報もぜひ確認してみてください。
埼玉県の無料耐震診断とは
この無料診断は、県職員などによる図面確認や聞き取りを中心とした簡易的な検証であり、現在発生しているような大規模地震に対する損傷リスクまでを詳しく解析するものではありません。診断結果をもとに耐震補強を行えば一定の効果は見込めますが、建物の劣化状況によっては、補強よりも建て替えのほうが合理的で、より安全なケースもあります。
対象となる住宅
- 昭和56年5月31日以前に建築された木造住宅(旧耐震基準の建物)
- 昭和56年6月から平成12年5月までに建築された住宅のうち、所有者が(一財)日本建築防災協会作成の「木造住宅の耐震性能チェック」を実施し、「専門家による検証が必要」と判断されたもの
- 2階建て以下の住宅、または住宅部分が50%以上の併用住宅
- 埼玉県内に所在する建物
- 過去にさいたま市の耐震診断助成制度などを利用していない住宅
申し込み方法
- 申請書類の提出が必要(各市町村の窓口、または郵送で受付)
- 受付は令和6年度の募集開始日を確認のうえ、できるだけ早めの申し込みをおすすめします
▼詳細な情報は埼玉県公式サイトをご確認ください。
埼玉県「木造住宅の無料簡易耐震診断のご案内」
▼こちらも良ければご覧ください。
誰でもできるわが家の耐震診断(一般社団法人日本建築防災協会)
新築を検討している方にとっても、耐震診断の仕組みや基準を理解しておくことは大切です。ただし、無料診断は既存住宅を対象としており、新築住宅の耐震性を確認するものではありません。より高い耐震性能を求める場合は、最新の構造解析技術を用いた詳細な検証が必要です。
イデアホームでは、耐震補強だけでなく、建て替えや高度な耐震解析も含めた総合的なご提案を行っています。不定期で耐震診断イベントも開催しているため、詳しく知りたい方はぜひご相談ください。

耐震診断とは
一般的に「耐震診断」とは、建築の専門家が住宅の耐震性を評価するために行う調査のことを指します。埼玉県で実施されている無料の耐震診断は、現地調査を伴わない簡易的な形式であり、精密な診断とは異なります。
診断内容の一般的な流れ
事前調査
申込者が提出する建物の図面や情報をもとに、建物の基本的な耐震性を確認します。
現地調査
専門家が実際に住宅を訪問し、外観や内観、床下、屋根裏などを目視で確認します。構造材の劣化状況や補強の有無などをチェックします。
耐震性の評価
調査結果をもとに、大地震が発生した場合に建物がどの程度耐えられるかを評価します。必要に応じて、耐震補強の方法や改修プランについてのアドバイスが行われます。
耐震診断(一般診断法)の主な特徴
- 目視調査や簡易的な計算によって、耐震性を数値化し「評点」として評価します
- 一定以上の評点があれば、大地震時に倒壊しないレベルであると判断されます
- 診断結果に基づき、自治体の補助金制度を活用した耐震補強工事の実施が可能です
無料耐震診断のメリットと限界
埼玉県が実施する無料耐震診断には、いくつかのメリットがあります。ただし、その診断方法や目的には限界もあるため、正しく理解した上で活用することが大切です。
無料耐震診断のメリット
1. 自宅の耐震性を知るきっかけになる
無料の耐震診断を受けることで、建物の耐震性や弱点をある程度把握することができます。この診断は、大地震時に建物が著しく危険かどうかを判断するのが目的です。したがって、耐震補強の必要性を確認するうえでは有効ですが、地震発生時にどの程度の損傷が起こるかを正確に把握することはできません。
2. 補助金を活用した耐震補強が可能
埼玉県では、耐震補強工事に対する補助制度が用意されています。無料診断の結果に基づき、補助金を活用して補強を行うことも可能です。ただし、補助の対象となる補強内容には制限があるため、「補助金が出るから補強する」のではなく、「安全な住まいを実現できるかどうか」を基準に判断することが重要です。
3. 本当に安心できる家を実現するには?
無料診断では「現在の耐震基準を満たしているかどうか」が確認できますが、将来にわたって安心して暮らせる住宅を望む場合は、より精密な耐震解析や、建て替えの検討が必要になることもあります。たとえば、耐震シミュレーションなどの高度な技術を活用すれば、どの程度の地震に耐えられるのかをより正確に評価できます。
無料耐震診断の限界
埼玉県が実施している無料診断は、図面や聞き取りをもとに行う簡易な検証であり、現地での詳細な調査は含まれていません。そのため、近年の大規模地震に十分に対応できるかどうかの判断材料としては不十分な場合もあります。診断結果をもとに補助金を活用し、耐震補強を進めることは可能ですが、建物の状況によっては補強だけでは対応しきれないケースもあります。安心・安全な住まいを実現するためには、建て替えやより高度な診断も選択肢として検討することが大切です。
イデアホームの耐震解析とシミュレーション
イデアホームでは、住宅の耐震性を総合的に評価し、長期的に安心して暮らせる住まいづくりをサポートしています。耐震補強だけでなく、建て替えも含めた幅広い選択肢の中から、お客様にとって最適な提案を行っています。
特に注目されているのが、「Wallstat(ウォールスタット)」という耐震シミュレーション技術です。これは、地震が発生した際の建物の揺れや倒壊リスクを、3Dモデルで事前に可視化できる解析手法です。主に新築や建て替えの設計段階で活用されますが、既存住宅であっても図面などの情報があれば解析は可能です。
一般的な耐震診断では、建物の耐震性能を「評点」という数値で表すのが一般的ですが、Wallstatでは実際の地震動を想定した構造シミュレーションを行うことで、よりリアルな耐震性能を確認できます。揺れの挙動や損傷の進行状況を視覚的に把握できるため、補強や建て替えの判断にも大きく役立ちます。
また、イデアホームでは不定期で「耐震相談会」を開催しており、無料診断では分からない住宅の構造的な安全性や、将来的なリスクへの備えについて、専門家と直接相談することができます。耐震性に不安のある方や、これから家づくりを始める方は、ぜひこの機会をご活用ください。
▼Wallstat(ウォールスタット)については、こちらの記事をご覧ください。
新築の家づくりに耐震解析の情報は必要?
今回は、主に旧耐震基準の住宅を対象とした耐震診断についてご紹介しましたが、新築を検討している方にとっても、より安全な住まいを実現するための参考になる情報が含まれています。地震に強い家を建てるには、設計段階から耐震性能をしっかりと考慮することが重要です。
1. 旧耐震基準と新耐震基準の違いを知る
日本の耐震基準は、過去の大地震を教訓に何度も改正されています。旧耐震基準(昭和56年以前)では「震度5程度で倒壊しない」ことが基準でしたが、新耐震基準では「震度6強〜7でも倒壊しない」性能が求められています。さらに、近年では新耐震基準の住宅でも被害が出るケースが報告されており、新築時には「新耐震基準+α」の備えが安心につながります。
▼耐震基準についてはこちらの記事もご覧ください 。
2. 耐震解析の手法を新築の設計に活かす
新築の設計段階から耐震解析を取り入れることで、より高い安全性を備えた家づくりが可能になります。「Wallstat(ウォールスタット)」のようなシミュレーション技術を使えば、建物が地震の揺れにどう反応するかを事前に確認できます。柱や耐力壁の配置を最適化し、合理的で無駄のない耐震設計を実現するために、設計段階での解析活用は非常に有効です。
3. 将来のために耐震改修の知識を持つ
新築時に耐震性能を高めておくことはもちろん、将来的に必要となる改修や補強の知識も備えておくと安心です。たとえば、築年数が経った際の補強ポイントや、リフォームのタイミングで耐震補強を取り入れる方法などを理解しておくと、住まいの安全性を長く維持できます。中古住宅の購入時や、実家の耐震性を確認する場面でも、この知識は役立ちます。
イデアホームにご相談いただければ、耐震補強と建て替えのどちらがより合理的かを、専門家と一緒に検討できます。さらに、Wallstatを活用した耐震シミュレーションにより、一般的な診断では把握しにくい建物の揺れ方や構造的な弱点を可視化し、より正確な評価を行うことが可能です。

今回の記事では、イデアホームが主に施工を行っている埼玉県の無料耐震診断についてご紹介しましたが、埼玉県以外にも同様のサービスを提供している自治体は多数あります。診断を検討している方は、各自治体が定める目的や診断基準を確認した上で、「無料だから安心」と捉えるのではなく、「どのくらいの地震に耐えられる家を目指したいのか」「どの程度の耐震性を確保すべきか」を自分自身で考えることが大切です。
無料診断を本当に安心できる住まいづくりに活かすためには、その結果をどう使うかが重要です。補強を選ぶのか、それとも建て替えが必要なのか。あるいは、さらに詳細な耐震解析を行うべきか。迷ったときは、ぜひイデアホームの専門家にご相談ください。
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