耐震基準適合証明書の取得方法とそのメリット
地震に強い工務店イデアホームが、耐震基準適合証明書の取得方法やメリットについて解説します。
耐震のノウハウ
2023/05/18
目次
地震に強い家づくりを得意とするイデアホームが解説します
イデアホームは、埼玉、越谷、八潮、草加、東京の足立区、あきる野市といった地域を中心に、地震に強い家づくりを進めてきました。耐震研究所でセミナーを開催し、工務店同士のネットワークを強化することで、情報共有を進め、地域だけでなく日本全国での地震に強い家づくりの普及にも貢献しています。耐震リフォームや耐震診断も行っており、すでにある住宅の耐震性を向上させる取り組みも積極的に行っています。今回は、地震に強い家づくりを得意とするイデアホームが耐震基準適合証明書とは何か?耐震基準適合証明書を取得することにメリットがあるのか、取得方法について、詳しく解説いたします。
耐震基準適合証明書とは
耐震基準適合証明書は、既存の住宅が法定の耐震基準を満たしていることを確認する書類です。取得にはまず耐震診断が必要で、その結果をもとに、上部構造評点(建築物の上部構造(壁、柱、梁などの耐震設計要素)の耐震性能の数値)が1.0以上得られれば証明書の発行が可能になります。ただし、この証明書は自動的に発行されるものではなく、所有者の申請が必要となります。新築住宅については、初めからすべての住宅が新耐震基準に準拠して建築されているため、基本的に耐震基準適合証明書は不要です。
新耐震基準とは
「新耐震基準」とは、昭和56年6月1日に施行された建築基準法の耐震基準のことを呼びます。震度6強~7レベルの大地震での安全確保に言及をし、建物の中、もしくは周辺にいる人が建物の倒壊に巻き込まれて被害を受けるという状況を改善するような耐震基準が制定されています。 昭和56年5月31日以前に建てられた住宅は「新耐震基準」で建てられていないため、耐震診断をしないと新耐震基準に適応しているかがわかりません。
▼耐震診断・新耐震基準についてはこちらの記事をご覧ください
耐震基準適合証明書を取得するメリットとは
耐震基準適合証明書は自動的に発行されるものではなく、耐震診断と申請が必要になると説明しました。では、耐震基準適合証明書は取得するメリットはあるのか、説明します。
令和3年までは耐震基準適合証明書の取得は必要でした
マイホームを購入した際に、一定の条件を満たすとさまざまな税金控除が受けられます。耐震基準適合証明書は、これらの税金控除や減税措置の優遇に必要であると言われていました。しかし、令和4年度の税制改正により、「昭和57年以降に建築された新耐震基準適合住宅」は、耐震基準適合証明書を提出しなくても税金控除の対象となりました。そのため、今後「昭和57(1982)年以降に建築された新耐震基準適合住宅」を購入する方においては、ローン控除や税金控除を受けるための耐震基準適合証明書の発行・取得はほぼ不要となりました。では、現在は耐震基準適合証明書の取得は何のメリットになるのかを表を使って解説します。
不動産価値向上 | 住宅ローン控除 | 税金控除 | |
---|---|---|---|
昭和57年以降に建てられた住宅 | する | 取得しなくても控除されている | 取得しなくても控除されている |
昭和56年以前に建てられた住宅 | する | 取得すると控除されるようになる | 取得すると控除されるようになる |
不動産価値向上
耐震基準適合証明書はどんな物件でも発行できるわけではありません。逆に言えば、発行できる物件は資産価値が高い物件の証明になります。発行できるかどうかを調査しなければ資産価値は眠ったままです。不動産の売却を検討している方は、耐震性の証明として耐震基準適合証明書が役に立つ可能性があります。
税金控除
耐震基準適合証明書を取得しなくても、昭和57年以降に建てられた住宅は様々な税金控除を受けられます。しかし、昭和56年以前に建てられた住宅は例外です。昭和56年以前に建てられた住宅は耐震基準適合証明書を取得すると、築年数にかかわらず、以下のような税金控除の優遇が受けられます。
- 住宅ローンの所得税が控除されます
- 登録免許税が軽減されます
- 地震保険の保険料が割引になります
- 贈与税が非課税になります
- 不動産取得税が軽減されます
耐震基準適合証明書の取得方法
実際に耐震基準適合証明書を取得したい場合はどうすれば良いのか、説明します。耐震基準適合証明書を発行できるのは、国土交通省が指定した一般財団法人などの指定性能評価機関や、建築士事務所登録を行っている事務所に所属する建築士です。
耐震基準適合証明書の発行に必要なもの
- 検査登記事項証明書の写しもしくは建物登記事項証明書の写し
- 物件状況等報告書
- 台帳記載事項証明書もしくは検査済証の写し
- 販売図面(間取り図)
耐震基準適合証明書発行の流れ
〇事前相談
↓
〇耐震依頼
↓
〇現地調査
↓
〇発行依頼
↓
〇費用の支払い
↓
〇証明書発行
耐震基準適合証明書の発行期間と費用
耐震基準適合証明書の取得には、申請から発行まで約1ヶ月の時間が必要で、耐震診断の費用と耐震基準適合証明書の発行の費用として概ね15万円程度が目安の費用となります。費用は検査機関によって異なるため、比較検討して申請先を選ぶことが推奨されます。現地調査も含まれるため、証明書が急ぎで必要な場合でも、即時に発行が可能なわけでは無いことを理解しておくことが重要です。
耐震基準適合証明書の取得における注意点
昭和56年以前に建てられた建物について、耐震基準適合証明書を取得することは決して容易ではありません。古い物件であるほど、耐震基準を満たしていない可能性は高くなります。耐震基準を満たさない物件で耐震基準適合証明書を発行するためには、補強工事を依頼する必要があります。
補強工事には、半年以上の期間を要することもあります。また、住宅ローン控除や減税による節約額よりも、補強工事にかかる費用が高くなることもありますので、注意が必要です。費用や時間をかけて耐震診断を実施しても、不適合となる可能性が非常に高いのです。適切な耐震補強工事が行われている場合は、わずかながら期待が持てるかもしれませんが、可能性はあまり高くないでしょう。さらに、耐震基準適合証明書を取得していても、他の条件を満たしていなければ住宅ローン控除や減税制度を利用できないケースがありますので、十分に注意が必要です。
重要なのは証明書の有無ではなく、その建物が真に地震に強いこと
令和4年度以降、昭和57年以降に建築された新耐震基準適合住宅は、登記簿謄本で確認できるので、基本的に耐震基準適合証明書は不要となりました。住宅ローンの減税措置など税金控除を受けるために取得する必要はないと言えます。しかし、耐震基準適合証明書は今でも耐震性を証明するツールであることは間違いありません。ただ、重要なのは証明書の有無ではなく、その建物が本当に地震に強いことです。
日本で暮らす以上、地震から逃れることはできません。近年、地震の発生回数が増加しています。そのため、家族の生命と財産を守るためには、住宅の耐震性が最も重要な性能となります。中古物件においても、税金控除や減税措置を受けるためではなく、家族の生命と財産を守れるかどうかを確認するために、耐震診断をおすすめします。住宅の耐震性に不安がある場合は、耐震シミュレーションなどを利用して正確な診断を行い、改修工事を検討しましょう。
イデアホームでは、新築住宅の場合、地震のシミュレーションソフト「wallstat」を使用して、阪神淡路大震災の1.5倍に相当する地震が発生した場合でも倒壊しないような構造解析を行っています。このような詳細な構造解析により、家族の安全を最優先に考えた家づくりをサポートしています。そして既築住宅についても、同様のシミュレーションを実施しています。地震に強い家を建てたい、リフォームしたいという方々に、イデアホームは地震への対策や耐震設計の詳細なご説明を提供できます。お気軽にモデルハウスや耐震研究所までお越しください。
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