地震に強い家の形とは? 徹底解説

家づくりを検討中の方必見! 家の形が地震の揺れに与える影響をご存じですか? 真上や真正面から見た形状が「地震に強い家」と「弱い家」を分けるポイントをわかりやすくご紹介します。

地震に強い家の形とは? 徹底解説

耐震のノウハウ

2022/08/29

地震に強い家の形とは

2022年は地震の発生が非常に多い年となりました。発生地域は特定の場所に偏ることなく、全国各地で大規模・中規模の地震が相次いでいます。いつ起きてもおかしくないとされる巨大地震への備えとして、地震に強い家への関心は年々高まっています。実は、「地震に強い家の形」というものが存在するのをご存じでしょうか? 今回は、地震に強い家を建てたいと考えている方に向けて、「地震に強い家の形」について分かりやすく解説します。

地震に強い家の形は「シンプルな形」

地震に強い家には共通点があります。それは「シンプルな形」です。建物の平面や立面の形が揺れへの強さにどのように影響するのかを詳しく見ていきましょう。

平面形状から見てシンプルな形

平面形状から見てシンプルな形とは、建物を「真上」から見た時にでっぱりや凹凸がなく、長方形や正方形に見える形です。家の各面が一体となっているため地震の衝撃を受けにくく、地震の揺れによる力が加わっても各壁面や地面へスムーズに衝撃が流れます。四角形の家は、壁で囲まれているため地震の力を吸収できるとも考えられています。

立面形状から見てシンプルな形

立面形状から見てシンプルな形とは、建物を「正面」から見た時にでっぱりや凹凸がなく、長方形や正方形のような外観です。1階と2階が全く同じ形で出来た総2階建ての家は長方形や正方形のようなシンプルな形になります。2階部分の面積が1階部分より小さい場合は、2階部分ができるだけ1階部分の真ん中にのっている方が地震に耐えやすい、バランスの良い形となります。1階と2階の耐力壁や柱の位置が揃っている家は、壁のラインや柱のラインが揃っているため、2階分の荷重が分散され、地震の横揺れにも強いと言われています。

平屋

平屋とは、階層が1階層の建物の造りを指します。つまり、1階建ての建物です。一般的な平屋の家は建物の高さが低く、長方形や正方形といったシンプルな形をしています。高層マンションやビルなど高い建物の方が揺れを感じるように、1階建ての建物のため揺れにくい特徴があります。平屋は2階がない分、屋根しか支えなくて良いため、上からの重さに耐えなくて良いところも地震に強い家の形と言えます。シンプルな間取りが多く、震動の力をうまく分散するため、揺れにくく倒壊のリスクも少ない地震に強い形と言えるでしょう。

地震に弱い家の形とは

地震に弱い家にはいくつかの特徴があります。それは「複雑な形」です。建物の形状や構造が地震の力にどのように影響を与えるのか、具体例を交えて説明します。

凹凸が多い

複雑な家とは、建物を真上から見たときにL字型やコの字型に見える形を指します。また、真正面から見て2階が前面に押し出ていたり、2階部分が偏っている形も該当します。これらの形状では、左右の重心がずれているため、凹んだ角部分にエネルギーが集中しやすくなります。この結果、建物にゆがみやねじれが生じる可能性が高くなり、ひび割れが発生したり、最悪の場合には倒壊の危険性も生じます。

ビルドインガレージがある 

ビルトインガレージとは、建物の1階部分に駐車場スペースを設けた住宅のことです。この設計は限られた敷地を有効活用できるため、敷地内での駐車が可能になり、整った環境で車を管理できるという利点があります。そのため、お客様からの要望も多い仕様です。
しかし、一般的には耐震性があまり良くないと言われています。その理由として、車の出し入れを行う道路側に壁がほとんどないため、建物全体の耐震強度が低下してしまう点が挙げられます。

イデアホームでは、お客様の土地の地盤に合わせた耐震シミュレーションを繰り返し行い、地震が起きても倒れない構造計算を実施しています。この取り組みにより、耐震性とビルトインガレージを両立させた家を実現しています。特に、wallstatを活用した耐震シミュレーションでは、建物の形状をそのままモデル化し、地震時に受ける力を解析します。この解析により、形状に関係なく地震時の損傷を詳細に分析することが可能です。不安定な形状の場合は、こうしたシミュレーションが特に重要です。
▼「ビルドインガレージ」と「耐震性」を両立させた家「ANBO garege」について詳しくはこちら

吹き抜けがある 

開放感のある吹き抜けを設けると本来あるはずの壁と床がなくなるため、耐震性が弱くなり、建物のバランスが崩れやすくなります。一般的に解放感と耐震性を両立させることは困難であり、壁配置のバランスを工夫することが求められます。吹き抜けの位置や面積、階段の場所などにもよりますが、よほどバランスが取れていない限りは吹き抜けのある家が耐震性を確保することは難しいと言えます。

1階に広い部屋がある

建物は、柱や壁で支える部分が少ないほど、揺れの影響を受けます。1階に柱の数の少ない大きな部屋を設置すると、2階との重心のバランスが崩れてしまいます。家にかかる衝撃のバランスが悪いと、ねじれる力や回転する力など、あらゆる力がバラバラに加わり、家へのダメージが大きくなってしまいます。

スキップフロア

同じ階の床に高低差を付けて設計するスキップフロアは、導線に変化を付けられるので人気ですが、垂直方向に不安定な構造になるため、通常の構造計算では耐震性を確認できにくくなります。耐震性とスキップフロアを両立させるには耐震シミュレーションが必要になります。

地震に強い家を建てるために大事なのは形だけ?

地震に強い家を建てるためには、家の形も重要ですが、その他にも重要な事があります。ここでは家の形以外に地震に強い家を建てるために大事な事を説明します。

耐震等級を確認しよう

耐震等級とは、建築基準法で定められた基準を耐震等級1とし、その1.25倍の強さを耐震等級2、その1.5倍の強さを耐震等級3と定めたものです、3段階のランクに分けられ、耐震性能が高いほど等級の数字が大きくなります。専門知識を持たない人でも建物の耐震性を客観的に評価できる指標として幅広く用いられています。 耐震等級は計算上の下限をクリアしているという指針に過ぎません。同じ耐震等級3の住宅でも、構造計算をしているか、していないかによって実際の耐震性能は大きく異なる事を覚えておいてください。

▼耐震等級について詳しくはこちらの記事をお読みください

地盤調査をする

どのような耐震性能が高い家でも、地盤がしっかりしていないと簡単に崩れてしまいます。大きな地震が起こった時、地盤が揺れやすい場所に建てられた家は、地震に強い形であっても大きな衝撃を受けます。地盤が弱いと地中の揺れが地表では増幅され、非常に大きな揺れや衝撃になるからです。軟弱地盤に行う地盤改良では、地震時の揺れの増幅は防げません。土地のサイズによっては地震に強い家の形にできない場合もありますので、まずは地震に強い土地を検討する事も大事になります。

しっかりとした構造計算が大事

構造計算の方法によって実際の耐震性は異なります。耐震性を高めるためには、「しっかりとした構造計算を行う」事が最も有効な手段です。一般的に、木造住宅を建てる際には構造計算ではなく、品確法の簡単な壁量計算が適用されてしまっています。一方、しっかりとした構造計算によって建てられた耐震等級3の住宅は、各接合部の強度や鉛直荷重、基礎の構造計算も行われるため、品確法の計算のみの耐震等級3の住宅よりはるかに耐震性が高くなります。「地震に強いシンプルな形」「耐震等級3の建物なら安心」というわけではなく、「しっかりと構造計算されているか」が、地震に強い家を作るために重要なポイントと言えます。

2階に重いものを置かない、配置しない

建物が建った後にも耐震性を保つための工夫をする事もできます。たとえば、2階にピアノや大量の本棚、水回りの設備などの重たいものを置かないようにする事も有効な地震対策と言えます。重いものを2階に置くと地震発生時に1階にかかる地震の水平力が大きくなるため、建物に負担がかかってしまいます。家を設計する段階から、2階の床の積載量を軽くするような間取りを考える事も大事です。

地震に対して詳しい工務店を選ぶ

耐震対策には壁に筋交いを入れたり、耐震性を強化する金具や耐力壁などもありますが、むやみに設置しても意味がありません。考えている間取りで耐震性能をあげたい場合はあらかじめ、地震に強い家を建てる知見のあるハウスメーカーや工務店を選ぶ事も重要です。

地震に強い工務店ならイデアホーム

地震に強い家の形や弱い家の形について説明しましたが、家の形だけでなく、しっかりとした構造計算が行われていることが重要です。耐震性が弱いと言われる吹き抜けやビルトインガレージを取り入れたい場合でも、「構造計算」や「耐震シミュレーション」を行うことで耐震性を確保することができます。また、室内の耐力壁を増やすことで耐震性を高められますが、間取りが複雑になったり、コストが上がる場合もあります。地震に強い家づくりを検討する際は、予算や家の揺れに対する感じ方を基に、自分に合った選択をすることが大切です。

イデアホームでは、「許容応力度計算」や「時刻歴応答解析」を活用し、詳細な構造計算を行っています。また、地盤の特性を調査して設計に反映させることで、一般的な耐震等級3を超える耐震性を実現しています。耐震性やデザイン、間取りなど気になる点については、モデルハウスや完成見学会で詳しくご説明しています。さらに、耐震研究所では過去の大規模地震の揺れやイデアホームの家の強さを体験できます。ぜひ一度お問い合わせの上、お越しください。

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