知って損しない!工務店の選び方・断り方

注文住宅を建てる時に大切なのが、建設会社選びです。一緒に長い時間家づくりを行うことになる建設会社。どのように建設会社を選べばいいのか、またお断りするときはどうしたらいいのか。今回は工務店に絞って解説します。

知って損しない!工務店の選び方・断り方

家づくりのノウハウ

2021/11/30

注文住宅を建てようと考えたときに、どの建設業者に依頼するか悩む人がほとんどです。工務店?ハウスメーカー?ハウスメーカーはなんとなくCMなどで見たことあるけれど、工務店とはどんな会社なのかよく知らないという人もいるのではないでしょうか。

工務店とは

一般的に営業網を比較的狭い地域に限定して、地域に密着している建設会社のことを指します。社長も大工の一人である小規模な工務店から、従業員が数百名いるような大規模な工務店まで、その規模には大きな幅があるのが特徴です。
「デザインがおしゃれ」「機能性に優れている」「アフターフォローが充実している」など工務店によって得意分野があり、さまざまな特色があります。地域密着型なので、地元の人間ならではの土地勘を活かした家づくりを提案できることも魅力の一つです。展示場や広告宣伝費などの経費率は低く、平均販売価格も抑えられる傾向にあります。設計の自由度が高いため、こだわりの住宅を希望する人に向いていますが、工期はハウスメーカーより比較的長めになります。施工の精度は所属する大工の腕や工法・仕様に左右されるため、工務店選びは住宅の完成度に直結することになります。

建設会社には工務店の他にも、ハウスメーカー・設計事務所・ビルダーなどがあります。それぞれ以下のような特徴があります。

ハウスメーカー

一般的に広範囲な営業網をもつ大手の住宅建設会社の事をいいます。住宅を「商品化」し、部材の生産から工事、アフターサービスまでをシステム化しているのが特徴です。量産が可能で規格化された住宅を得意としているため、工期は早い傾向にあります。一方で社員が多く、住宅展示場の出店費用や広告費なども多額なので、建設コストは高くなることが多いです。また規格化されているため設計の自由度は低めです。

設計事務所

建築士が運営する事務所のことをいいます。設計と工事監理を専門とし、施工を行うのは工務店です。実際に施工を行うわけではないので、大事なのは建主が希望する住宅性能を実現する設計力になります。そのため建主と『デザインや家に対する考え方の相性』が合うかどうかが重要になります。工務店やハウスメーカーは自社で設計を行うため設計料は比較的安価ですが、設計事務所を使うと工事費と設計料の総額では高くなる傾向があります。また設計者と施工者が異なることで、責任の所在があいまいになる場合があるため注意が必要です。

分譲系ビルダー

一般的に、不動産系の「建売」住宅販売会社のことを指します。注文住宅ではなく建売のため、出来上がった家と土地がセット販売の形態になります。なかには「売建」方式で契約後に家づくりを始め、要望を聞いてもらえることもありますが、建築条件付き(建設業者が決まっている)である場合が多いです。住宅の性能や仕様は注文住宅より劣る場合がほとんどです。

ハウスメーカーと工務店の違いを、わかりやすく飲食店のイメージで表現すると、ハウスメーカーは全国展開しているレストランチェーン店になります。どの地域でも同じ値段・同じ味で食べられるチェーン店は安定感・安心感があります。
一方、工務店は定食屋やカフェ、ラーメン店など地域に密着した飲食店です。メニューも値段もクオリティも多種多様ですが、地元の素材にも理解が深く、親しみやすいのが特徴です。イメージがつかめたでしょうか。

建設会社は自分の希望や好み、要望によって選びます。今回は「工務店」に特化して選び方をご紹介します。

工務店の選び方

まずは「地域名」や「注文住宅」「工務店」などのキーワードをいれて、候補となる工務店をWeb検索をしてみましょう。好みやイメージに近い工務店を、数社ピックアップしてみてください。

Webサイトで確認したいこと

Webサイトで確認したいのは「施工事例」「ブログやイベント情報など」「お客様の声」の3点です。それぞれ確認するポイントをまとめました。

施工事例

様々なモデルハウスや施工事例が紹介されているので、必ずチェックしましょう。好みのデザインか、欲しい性能に対応しているかもある程度施工事例で確認できます。また年間の施工事例が多ければ、それだけの実績があるということなので安心です。
可能であれば実際のモデルハウスも見に行ってみましょう。工法や性能など技術情報がきちんとしているかも確認することが重要です。

ブログ・イベント情報

ブログなどを確認することでその工務店のスタッフのイメージが湧いたり、会社の思いなどが伝わります。また、こまめにWebサイトが更新してある会社であれば、情報の提供や相談への対応も早いのではないかと期待ができます。イベント情報を活用して完成見学会などには積極的に参加しましょう。

お客様の声

お客様の声」はそのまま会社の評判です。実際にその工務店で建てた人の声なので、依頼を決める際の判断材料になるでしょう。また今後家づくりを進めていく上で、どのようにしていけば良いのかの参考にもなります。実際に家を建てた人が何にこだわったのかなどに注目するのも面白いかもしれません。気になる工務店で家を建てた知り合いがいれば、直接感想をきいてみましょう。

複数社に資料請求・比較する

Webサイトを一通り確認したら、複数社に資料請求してみましょう。Webサイトの確認だけでも良いですが、Webに反映されていない情報があったり、さらに詳細な事例や特徴が記載されている場合もあります。資料が集まったら、以下のポイントを確認しながら比較してみましょう。

その工務店の得意分野【技術力・性能】

得意な工法や、差別化できている強みの確認をします。アフターサービスの有無などもチェックしましょう。特に耐震や断熱の性能は建ててしまってからでは直せないため要注意です。

施工事例【デザイン・設計】

自分の好みにあっているかを確認します。長い時間を過ごす住まいですので、性能面と同じくらいデザインも大切です。またプロならではの提案があるかなどもチェックしてみてください。デザインや間取りに制限がないかは必ず確認しましょう。

主な事業内容と雇用形態など【事業内容・社内体制】

主に新築の注文住宅を扱っているかどうかも必ず確認したい項目の一つです。普段から新築の注文住宅をメインにしている工務店と、リフォームや建売が多い工務店では施工のレベルが違います。
また大工の定着率などにも着目しましょう。熟練の職人がいる工務店なら技術力にも期待が持てますね。

家づくりへの思いや社長の人柄【理念】

社長の人柄やスタッフの雰囲気、会社のカラーを知ることで、自分との相性がどうか判断できます。建主の思いと工務店の思いに格差があれば、打ち合わせでもなかなか希望が伝わらず、モヤモヤすることがあるかもしれません。その工務店が何に重きを置いているのかを知っておけば、今後一緒に家づくりを進める上でスムーズにいくでしょう。

打ち合わせの対応など【対応力】

打ち合わせの際、担当者の知識や経験の質や量は大事な判断基準になります。強引な営業がないかなどと併せて、こちらの希望に否定的な意見を言わないか、すぐに代替え案を提案してくれるかなどをチェックしましょう。担当者とは、家を建てた後も長い付き合いになることがほとんどです。誠実な対応をしてくれる担当者を選びましょう。

見積もりをとる

1社からだけではなく複数社から見積もりをとりましょう。あまり多いと判断がつかなくなるため、気になる3社くらいがオススメです。項目が大項目だけだったり、詳細な金額が記入されておらず「一式」になっている見積もりの会社は要注意。比較するには単価・数量がきちんと記載された詳細見積もりが必要です。
3社の詳細見積もりを見比べて、なぜその項目が高いのか・安いのかを確認しましょう。素材のグレードのせいなのか、人件費の関係なのか、工期予定に関わる部分なのかなど、見積もりに含まれない金額が実は重要です。
また、契約後に追加でかかる費用もはっきりさせて方がいいでしょう。ほとんどの人にとって家づくりは初めてでわからないことだらけです。わからないことは、どんどん質問してみましょう。詳細に見積もりを提示してくれる会社や、どんな質問にも答えてくれる担当者は信頼できるため安心です。

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施工現場を見学したり完成見学会に参加する

建設途中の注文住宅を見学できる「構造見学会」や「完成見学会」への参加は、積極的に行いましょう。建築現場にこそ工務店の仕事ぶりが如実に現れます。建設途中の現場で家の“骨組み”を実際に見られる構造現場見学会は、家が建ってしまった後では見えない部分を確認するまたとないチャンスです。
また、優秀な工務店の現場は掃除も行き届いているため、周辺の状況もチェックしてみてください。現場の職人たちの態度などを確認するのもオススメです。
自社の施工に自信がある工務店なら必ず現場の見学を提案します。もし現場の見学を進めない工務店の場合は要注意です。家の完成後見えなくなる部分こそ見ておきましょう。

工務店選びに失敗しないポイント

工務店選びに失敗しないために、確認しておきたいポイントをまとめました。

工務店と建設地が近いかどうか

初めにその工務店は自分が建設を希望するエリアに対応しているかどうかを確認しましょう。エリアが対応していたら、工務店と建設地が近いかどうかを確認します。工務店と建設地が近いと現場の管理が行いやすく、管理コストを抑えることも可能になります。他にも、工事中や入居後、万が一トラブルがあった場合にも、近いことですばやく対応してもらえる可能性もあります。
また地元密着型の工務店であれば、地元での評判にそのまま繋がりやすいため、より責任感を持って対応してくれる傾向があります。

会社の安定度

工務店の経営状況が良好かどうかも確認しておく必要があります。
依頼した工務店が倒産するリスクはゼロではありません。倒産した場合、工事中の家は完成させられなくなり、家を手に入れることなくお金だけを失ってしまうという事態になりかねません。家の完成後に工務店が倒産した場合にも、アフターメンテナンスに影響が出てしまいます。年間施工数を確認し、経営状況を把握しておきましょう。施工数が多ければ多いほど、経営状況がよく安定した経営をしていると言えるでしょう。

自社施工かどうか

工務店の中には、契約だけを取って施工自体は下請け業者に任せてしまう会社もあります。下請け業者が入ることによって余計な費用がかさんだり、責任の所在があいまいになってしまう可能性があります。工務店が自社施工であれば、家づくりに関するすべてに責任能力があると判断できるため、いざというときに頼りにできるでしょう。不要なトラブルを避けるための判断材料としても自社施工かどうかを把握しておきましょう。

得意分野があるか

他社と比べたときに、どのような強みがあるのかを確認しましょう。
デザイン性を重視している、無垢材にこだわっている、耐震性に優れているなど、工務店によって得意分野や強みはさまざまです。自分たちの建てたい家、理想に近い理念を持つ工務店を選ぶことで、計画段階からの認識のズレが少なく、満足度の高い家づくりに繋がります。

提案力の高さ

せっかくハウスメーカーよりも自由度の高い工務店に依頼するのですから、プランの提案力の高さは重要です。きちんと要望を聞き取った上で、それ以上の提案をしてくれたり、無理な要望に対しても否定するのではなく代替え案を出してもらえるようであれば安心です。
あまり要望を聞き入れてくれなかったり、聞いても反映させてくれなかったりする工務店は要注意。自社の意見を押し付けるだけになっていないか、こちらの意見を鵜呑みにするだけになっていないかなども注意してみましょう。

技術力の高さ

技術力を見極めるには、過去に手がけた建物や現在施工中の現場を見学するのがオススメです。完成された建物のデザインだけでなく、仕上げの丁寧さ・正確さ、現場の整理整頓の具合などもチェックしてみましょう。
建築士や施工管理技士など、技術や資格を有するスタッフがいるかどうか、特許や受賞歴なども技術力の目安になります。

良い担当者であるか見極める

注文住宅の依頼では、家を建てるまでに工務店との細かい打ち合わせを数回繰り返します。そのため工務店選びで一番重要になってくるのは、社長や担当者の人柄や相性です。社長や担当者とはしっかりコミュニケーションが取れそうか、親身になってくれそうか、そして自分との相性はどうかといった点をしっかり確認しましょう。
入居後のメンテナンスや、トラブルの際にもコミュニケーションをとる必要があります。家は建てた後の方が長いので、長く付き合える担当者を見極めることが大事です。

お断りする時は

実際に工務店に相談してみたり、何度か打ち合わせを繰り返したりすると、イメージと違ったり、予算や担当者が合わないといった違和感が出てくることもあるでしょう。工務店は一生懸命要望を聞き、さまざまな提案してくれることが多いため、なかなか断るのが難しいと感じてしまう人がほとんどではないでしょうか。
しかし「他の工務店を検討したい」と感じ出したら、きちんと一度断りを入れて中止することがベストです。依頼者に断られるケースは少なくないため、工務店側も慣れています。あまり気負わずに「今回は見送らせてほしい」と連絡してみましょう。その際に気をつけたい3つのポイントを紹介します。

正直にその理由を伝える

「疑問や不安に思うことを担当者に相談したが回答に納得できなかった」「提案や見積もりが合わなかった」「他により良い提案を受けた」「担当者の対応に不満がある」など、理由は正直に伝えましょう。
「受注に至らなかった理由=今後の課題」として認識できるため、工務店側の成長に繋がります。言いづらくない範囲で正直に理由を伝えてもらえると、工務店側としてはありがたい意見になります。

なるべく早く伝える

お互いの時間を無駄にしないためにも、お断りすると決めたら早めに伝えることが大切です。注文住宅を建てるには、時間もお金もパワーも必要です。「まだ断りを伝えていない……」と気に病むより、早めに伝えて自分の家づくりに集中しましょう。

断る際の連絡方法

一度見積もりを取っただけなのか、何度も相談を重ねたのかなど、どの程度お付き合いがあったかにもよりますが、断りを入れる際は電話にしましょう。わざわざお店を訪ねる必要まではありませんが、確実に伝えるためにも担当者にきちんと話した方が安心です。決まりがあるわけではありませんが、メールなどだと届かなかったり、見落とすなどのトラブルがおこる可能性もあります。断る際にも、お互いが気持ちよく済むようにしたいですね。

住まい選びは人選び

工務店の選び方や、注意点についての一例をご紹介しました。工務店選びにお悩みの方の参考になれば幸いです。
「住まい選びは人選び」とも言われます。工務店の場合特に、担当者とは長い付き合いになります。また、数ある工務店の中から1社を選ぶのですから、本当に自分に合った親身になってくれる工務店を見つけたいですね。

家づくりは人と人が協力して行うものですから、建主から工務店への信頼と、工務店からオーナーへの誠実さが最も重要になります。

イデアホームでは、お客様に心から納得して家づくりを行っていただくため、少し詳細すぎるほどの説明を行っております。
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