本当にお得?モデルハウスの購入について
家の購入を考え始めると、一度は住宅展示場やモデルハウスの見学に行く人がほとんどではないでしょうか。そのモデルハウスそのものを購入することができることをご存じですか?この記事ではモデルハウスを購入するメリット・デメリットや注意点などをご紹介します。
お金のノウハウ
2022/04/05
目次
モデルハウスの購入について
そもそもモデルハウスとは
モデルハウスとは、住宅の購入を検討中の方に向けたサンプルとして建てた家を意味します。見学者が住宅購入後の暮らしをイメージしやすいよう、設計図からは読み取れない「住まいの体感をしてもらうための家」になります。住宅展示場などでは、たくさんの住宅会社のモデルハウスを一度に見学できるため、住宅会社ごとの特徴や違いを知ることが可能です。
モデルハウスの見学は、どのような構造の家を建てたいのか、どのような性能に重点をおきたいのかなどを検討する良い機会になります。間取りやデザインの参考にするのはもちろん、住宅会社選びのためにも複数のモデルハウスを見て、比較検討することをオススメします。モデルハウスがあるのは主に「住宅展示場」と「分譲地」になります。 モデルハウスは住宅会社にとって、見て・触って・実感できる、実物大の広告です。
住宅展示場と分譲地の違い
住宅展示場でも「総合住宅展示場」と言われる複数のメーカーが出展している住宅展示場と、1社のモデルハウスのみが設けられた「単独展示場」があります。
総合住宅展示場では、広い敷地内にいくつかの住宅会社のモデルハウスが立ち並びます。複数のメーカーのモデルハウスを一度に見学・比較検討できることが魅力です。住宅展示場では比較されることがわかっているため、各メーカーともに自社の魅力をたっぷりと詰め込んだ、まさに「夢のマイホーム」を展示します。また、家族連れをターゲットにしているため、週末などにはイベントを行っていることも多く、楽しそうなイメージがある方も多いのではないでしょうか。
単独展示場の場合は、モデルハウスと別にショールームが設けられていることなどもあり、その住宅会社の強みやこだわりをよりじっくりと確認できます。総合展示場では、モデルハウス内に打合せスペースや事務所など、実際の間取りには含まれないようなスペースが作られている場合もありますが、単独展示場では事務所棟が別にあることがほとんどです。そのためモデルハウスは1軒のお家そのままの間取りで公開が可能になります。
分譲地のモデルハウスは、分譲地内の一画に「モデルハウス」として建築され公開されます。建売住宅と似たような一面がありますが、モデルハウスの場合は一定期間見学用に公開されるため、多くの人が来場します。分譲地内に建てられているモデルハウスは、公開期間が過ぎたあと売却できるように、住宅展示場のモデルハウスよりは一般的で身近に感じられる広さのものが主流です。
モデルハウスの販売
前述した通り、モデルハウスには広告塔として役割があるため、各メーカー最新のものを披露する場所でもあります。そのため、展示期間が過ぎたあとは新しいものに建て替え、常に最新の状態にしておきたいと言う思いがあります。その際に元々あった家を廃棄するのではなく、リユースハウスとして移築したり、そのまま販売したりすることがあります。
このように、モデルハウスの販売は常時行われているわけではなく、建て替え等のタイミングで行われるため、購入する機会に関してはタイミング次第でもあります。
モデルハウス購入のメリット
たくさんの家に対する憧れが詰まったモデルハウスは、「こんな家に住んでみたい」と思う人も多いはず。では、モデルハウスを実際に購入する場合、どのようなメリットがあるのでしょうか。
実物を見てから購入できる
注文住宅では図面などでどれだけ打ち合わせしていても、完成後「なんかイメージと違った」ということが起きる可能性があります。その点、モデルハウスの場合は「実際に建っている家」であるため、実物を見てから購入するかを検討できます。また、実際の広さや家事などの動線、家具の配置なども確認できるため、住んだ後の生活のイメージをしやすいと言えます。
設備がついてくる
モデルハウスは見学者に「こんな家に憧れる!」と思ってもらうことが目的の一つです。よって、外観や内装のデザインもかっこよかったり、設備も最新のものであったり、インテリアにもこだわって展示してあります。住宅会社によって付属するものは異なりますが、照明やエアコンなどの家電、ソファやダイニングセット、カーテンなどのインテリアも展示されていたものがそのまま譲り受けられることが多いです。
また、設備もモデルハウス仕様なためランクが高い傾向にあります。インテリアは専門家がその家の雰囲気に合わせてコーディネートしているため、統一感がありおしゃれです。
同じものを注文住宅でつくるよりも安い
モデルハウスを購入する場合、同じグレードの家を注文住宅で新築するより、安く購入できることは大きな魅力です。元々の予算内では購入するのが高く、グレードを下げる必要があるような設備でも、モデルハウスだからこそ元々搭載されている可能性もあります。モデルハウスとして使っていた設備や家具、家電などもそのままついてくるため、その分の予算が不要となり、買いに行く手間や時間も省くことができます。また、家の状態などにより、値引き交渉をすることも可能です。
注文住宅ではないので設計労力を削減できる
家は欲しいけど、注文住宅のように細かい部分にこだわりはなく、完成している家が欲しいという人はモデルハウスの購入に向いています。設計にかかる労力が不要なため、家づくりに関するストレスが軽減されます。建売物件や中古物件を探しているのであれば、モデルハウスの購入を検討するのも良いのではないでしょうか。
分譲地の場合すぐ住める
分譲地の中にあるモデルハウスの場合、購入後すぐに入居することが可能です。早く新居に移りたい!と思っている人にはうってつけだと言えるでしょう。
モデルハウス購入のデメリット
価格や付属設備などの面で大きなメリットがありますが、モデルハウスの購入にはどのようなデメリットがあるのでしょうか?
新築ではない
モデルハウスは元々見学用に公開されているので、不特定多数の人間が出入りした物件になります。また公開期間は分譲で1年程度、住宅展示場で3〜5年程度あるため、購入するときには経年劣化による傷や汚れがあることも少なくありません。また、設備や建材はモデルチェンジしている場合もあり、最新ではない可能性もあります。
一般的には「新しく建築された家」や「未入居の家」のことを新築と言いますが、法的には「建築工事完了検査日から1年以上経過しても未入居な家」は中古として扱われます。モデルハウスの場合、未入居でも建築工事完了検査日から1年以上経過していることがほとんどのため、一般的な「中古」ではないものの「新築」ではないと言うことを頭に入れておきましょう。
購入は抽選
モデルハウスの販売は、購入者が抽選になります。申込者が多い場合には抽選の確率が低くなるため、必ず購入できるわけではありません。また、抽選に当選したからと言って絶対購入しなければならないわけではなく、辞退することが可能です。
豪華すぎる
モデルハウスの購入は、展示されていた設備やインテリアがそのままついてくることが魅力の一つです。しかし、その設備やインテリアが豪華すぎたり、好みに合わなかったりして不要だと感じる可能性があります。
分譲の場合、住む場所が選べない
分譲地のモデルハウスは土地と建物を含めた販売になるため、建物と立地のどちらかが希望と合わない場合、購入した後に不満が出る恐れがあります。元々土地を持っていて、モデルハウスの購入を検討するのであれば、分譲地ではなく住宅展示場の方の抽選に参加すべきだと言えるでしょう。
土地の大きさと合わない可能性
住宅展示場のモデルハウスは敷地も広く、住宅としての広告塔という役割を担っているため、建物自体が大きめです。移築先である土地が小さい場合や変形地である場合には、減築することになります。結果、移築費用がかさんでしまったり、展示場で見たときとイメージが変わってしまったりする可能性があるので注意が必要です。
セキュリティの問題
モデルハウスはその役割上不特定多数が見学するため、家の間取りなどを多くの人が知っていることになります。実際には、家具の配置などで貴重品を置く場所も変わるためあまり問題ありませんが、「間取りが公開されたこと」が気になる人は避けるべきでしょう。また引き渡し時に必ず鍵を交換するはずですが、確実に交換したかどうかは確認する必要があります。
モデルハウスを購入するときの注意点
運よく希望するモデルハウス販売の抽選に当選し、購入する際には以下のようなことに注意が必要です。
築1年以上経っていると「住宅瑕疵担保責任保険」に加入できない
住宅を建ててから1年経つと、品確法で定める「新築住宅」に該当しないため、住宅瑕疵担保責任保険に加入できません。前項でも触れましたが、築1年以上経過したモデルハウスは中古住宅扱いとなるため品確法の対象外になります。「瑕疵担保責任保険」は住宅を購入した後で、瑕疵が見つかった場合の補修費用に対し、保険金が支払われる重要な保険です。モデルハウスの購入の際には、必ず「瑕疵担保責任保険」や「補償の詳細」を確認しましょう。
▼瑕疵担保責任保険について詳しく知りたい方はこちらも併せてお読みください。
基礎や構造の確認
モデルハウスは注文住宅と違い、建築の過程をチェックすることができません。また、住宅見本としての特性上、見栄えを重視しているため中身が疎かになっている可能性もゼロではありません。家が完成した後では見ることのできない基礎、柱や梁(はり)などの重要な構造部分は、購入前に契約書などで確認することが重要です。
また、分譲地のモデルハウスは土地も含めて購入するため、基礎工事の前に行われる地盤調査も契約書で確認しましょう。住宅展示場のモデルハウスを購入する場合は、一度解体して移設することになるため、構造体が傷ついたり、金物の取り付けが緩んだりすることがあります。一般的な在来工法ではあまり行われないので、積極的にはオススメできません。モデルハウス建築時に後の解体を考慮して建てられているかを確認した方が良いでしょう。
修繕の負担について確認する
モデルハウスを購入する場合は、購入前に気になる部分は細かくチェックし、修繕が必要か確認しましょう。修繕が必要な場合、売主と買主どちらの負担になるのかを明確にしておくことが大事です。
モデルハウスの購入はお得なだけではありません
住宅展示場やモデルハウスを見学して「こんな家が欲しい!」と思うことは少なくありません。「こんな家が欲しい!」を手っ取り早く実現するのが、モデルハウスの購入です。モデルハウスの購入は注文住宅を建てるより、早く、安く、理想の家を手に入れられる可能性があります。
しかもモデルハウスの購入は希望していたよりもグレードの高い家を、家具家電付きな上に安価で購入できる可能性もあります。そのため、モデルハウスの購入は概ねお得だと言えるかもしれません。
しかし住宅会社によっては、モデルハウスの見栄えだけを重視したり、短い工期で無理やり建てたりしていることもあり、購入後に思わぬ不具合やトラブルを招く可能性もあります。モデルハウスを購入する場合も、大切なのは信頼できる住宅会社がつくった家であることです。誠実な住宅会社の物件であれば、モデルハウスでもしっかりとした構造で建設されているはずです。必ず購入前にどの住宅会社のモデルハウスなのか、どのように建てられたのかを可能な限り確認することが大切です。特に住宅展示場のモデルハウスを購入する場合は、モデルハウス自体は安くても移設費用が高くつく場合もあるため、きちんと確認しましょう。
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